読書とは、、。

まだ G・マルケスの短編集を読んでいる、面白い、素晴らしい語り口、物語とはこういうふうに語られるべし、というお手本のようだ。昨日はサミュエル・ジョンソンのスコットランド旅行記を読んでいたが、読書の愉しみとは、この自分が今生きている世界とは別の世界が「ある」ことを感じることではないかと思う、過去に実際にあったこと、他の人の人生などについての物語を読むだけでなく、全くの空想の物語でもこれも書かれたものの中に「ある」のだ、あるからこそ僕らはそこに没入出来る、矢張りそれは一つの世界なのだ、空想と実在世界の明瞭な境界は無いのだと思う。良く語られた物語は矢張り「ある」のだ、彼の短編にはそのような魔力がある。勿論彼の短編の素材も実体験や彼が実際に見聞きしたことがベースになっていたりもするのだろうが、でもそれはもう別物に昇華されて「物語」として自足的にそこに「ある」のだ、だから読む者はそこに「入れる」のだ。