イングランド南部のフェアーで年配の女性が何と八十年位前のデッドストックのパイプを売っていました、長さ13〜14センチ、吸い口が水牛の角で出来ていて、珍しいことにボール(タバコを入れる部分)の上部に内側から金属が巻いてあります。こんな処理をされたパイプは見たことなかったのですが、これはパイプに火を付けるときに初心者は特にマッチやライターでこの部分の木を焦がしたりすることがある、それでこういう金属を付けているのだと思います。吸い口が丸いのは戦前のパイプの特徴です。この時代のデッドストックのパイプはとても珍しいですね。パイプの大きさは小さめ、車に例えるならコンパクト・カーといったところ。先ずはパイプを始めてみたい人にお勧めのパイプ。始めてみたいという方は是非お越し下さい、全てお教えします。パイプの内側は木肌が無垢のままなので「ブレークイン」と言って内側全体に保護膜を作る作業も必要なのですが、これも全てお教えします。今は普通の入門用パイプを買うとボールの内側は最初から黒い保護膜が付いています。
パイプが葉巻などの他の喫煙方法と根本的に違うのは上手く吸い続けるのにテクニックが必要なこと、一言で言えば、呼吸を習う、ことです。出来るだけ自然な呼吸でボールの中のタバコをゆっくりと燃やすこと、無理な燃やし方をすればパイプもやがて壊れ自分の身体にも負担が掛かります。パイプは段々上手くなると吸ってないときの呼吸に近付いていきます、呼吸が自然な状態に近付いていくのです。そういう風に吸えばパイプも喜んで、百年以上吸い続けることが出来ます、詰まり自分が死んだ後も誰か他の立派なスモーカーに引き継がれればパイプは「生き続ける」のです。僕が持ってる最も古いパイプは百五十年前、1870年代の物なので、19世紀前半生まれの人が丁寧に吸って楽しんでいた物。時代を越えて一本のパイプを介して人と人が繋がる楽しさがパイプスモーキングにはあります、19世紀の人が吸っていたのと同程度又はそれ以上のテクニックで自分もそのパイプを吸う、パイプを咥えることで昔の立派なスモーカーと繋がれる、パイプは昔の人の呼吸を身体に染み込ませるように記憶しているのでその上に自分の呼吸が新たに刻まれていく。これが、昔のパイプを吸って愉しむ行為で、それは本当に深いのです。昔の人が吸い込んで育てたパイプでするスモーキングは本当に美味しいのです。古くて良いパイプには固有のリズムがあり、そのリズムに自分の呼吸を合わせていくのです。あくまでもパイプが主、人間は従なのですね。
ご興味ある方はどうぞお越し下さい、全てお教えします、女性、若い方歓迎です。
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