シルバースプーンの12本セット(スプーンの長さ、10,8 cm)、シェフィールドのシルバーで1921年製。正確に言うと来年でアンティークの仲間入りですね。12本セットは割と珍しいです。シルバーのシュガー・トングも付いています。ケースが綺麗です。セットのシルバースプーンがこういうケースに入って売られるようになるのは、恐らく19世紀の半ば以降だと思います。それまでは、イギリスでもシルバーを普段から使うような家では上級の召使いがしっかり管理していた訳で、シルバーのカトラリーがもっと中流階級に広まってから、このようにケースに入ったのではないかと思います。シルバーを使う層の拡がりとケースが普及したことは関係あるかと思っています。それから、この時代のシルバースプーンの魅力は細部の美しさというより、デザインの魅力にあります。見た目の可愛さですね。
ここ最近身体が怠くて疲れが取れないので、時々行く郊外の温泉に行って来ました。浴室真ん中にある湯船に浸かり、身体を真っ直ぐ伸ばし顔だけ出して、向かいの洗い場で身体を洗う背中の入れ墨をぼんやりと眺めながら、自分のすぐ左の浴槽内には、浴室では会話はお控え下さい、と書かれているのに、僕の右では70くらいの親父が二人、半身浴状態でずっと賭けごとの話しを続けている。こんな状況で、おじさん会話はダメですよ、なんて言うのも不粋だと思い、時々盗み聞きをしてみる。「公衆電話の上に百円玉130枚くらい置いたまま忘れて帰って、後から戻ってみたらなかったさけ、警察行ったら、あんた親切にも届けてくれとる人がおってよ、警察で住所訊いて菓子折り持って挨拶に行ってな、もう30年くらい前かな、、」そんな話しを聞きつつ、130枚の百円硬貨は賭けごとの電話に使うのかな、しかし忘れるのに130枚は多過ぎだし不自然だな、などと詮索しながら、ぼーっと湯船に居る。入れ墨と賭けごとと、ぬるい湯。130枚の百円玉。こういうシュールな組み合わせが割と好きですね。僕は賭けごとには全く興味ないですけど、温泉で他人事として聞く分には楽しい。
そんな休日の午後でした。
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