イタリアのモザイク・ブローチとフリーメイソンのフォブ

左はイタリアのモザイク・ブローチ(2,5 x 0,9 cm)、1920年頃の物。これはブローチ本体がシルバー製です、普通は真鍮製なので、珍しいですね。小さくて可愛いブローチです。右は1917年製の9金のフォブ(懐中時計の鎖の先などに付けた物、2,9 x 2,3 cm)、彫られている模様などからしてフリーメイソンのメンバーが所有していた物だと思います。とても珍しい物です。イギリスのバーミングハム製です。

今朝は昔買った2011年5月号の「世界」(岩波書店)を書棚から引っ張り出してきて読んでました。このときの特集タイトルは「東日本大震災・原発震災 特別編集 生きよう!」で、少し前からパラパラ捲って読んでいたのですが、今日目に留まったのは哲学者、鶴見俊輔さんの文章。あっ、まだこの頃はご存命だったんだな、と思いつつ彼の寄稿エッセーのタイトルを見ると「敗北力」と書いてあり、面白い言葉だなと思い読み始めました。本文から引用しますと、こうあります、『敗北力は、どういう条件を満たすときに自分が敗北するかの認識と、その敗北をどのように受けとめるかの気構えから成る』。彼は続けてこう書いています、(江戸の終りや明治の日本人には見られた)この敗北力は大正・昭和に受け継がれることがなかった、と。

中々面白い言葉だと思いました。敗北力。今のこのような難しい時代には心に重く響きます。自分のこれからの一二年を生き抜くうえでも拠り所に出来る言葉だなと思います。『どういう条件を満たすときに自分が敗北するかの認識』、これを今の自分の置かれた状況に当て嵌めて冷静に考え進めていく。先ずその条件をしっかりと炙り出していく作業も大変です。そして、敗北する前に、それをどのように受けとめるかをしっかり考え覚悟しておく。これも大変辛い作業です。でも、いつの間にか僕たちは昔の人には当たり前だった、このような「気構え」を失ったのでしょうね。

今、冊子「そらあるき」の別冊号を皆さんの元に届けるべく動き出したところです。このような時代だからこそ強いメッセージを届けたいと思っています。色んな方に協力して頂き夏の終わり頃には完成させる予定です。こんな時代だからこそ一歩前に出たいと思います。(内容等は随時報告致しますので、乞うご期待、です)