ウラジーミルの聖母

ウラジーミルの聖母(8,8 x 4,4 cm) 、折り畳み式の木製のイコン。恐らく、19世紀前半の物でロシア製。聖母の背後にある文字を調べてみると、この聖母をウラジーミルの聖母と呼ぶらしいです。ビザンティン伝来のイコンで1395年にモスクワに移され、東方キリスト教世界の首都となったモスクワの守護イコンだそうです。恐らく旅するときに携帯してお祈りを捧げたものではないかと思います。


スクリコラージュー2

夢を観た。朝方に二度寝して観る夢は何処となく示唆的だったりして印象深いものが多い。今朝のはそういうものではなかったが、内容は珍しいものだった。何と僕が友人たちと舞台で演劇をやっていたのだ。僕は声も小さく演技も下手で、友人たちが加わってからは躍動感が出て、観客の反応も良くなった。終わるときに友人が観客に向かって、皆さんの感想を生の声で聞きたいので良かったらここに残って下さい、と言ったが大勢いた観客は皆波が引くように帰って行った。こんな夢をどうして見たのか全く分からない。最近毎日一人でここに居るから人と一緒に何かをするのに飢えているのだろうか。夢の中で自分は、脚本をもっと良くしなきゃダメだな、と思っていて、それが面白かった。

布団の側に一月に福岡で買ったドービニーの展覧会の図録があったので捲る。展覧会は去年国内の美術館を巡回していたのだが、行かなかったのが悔やまれる。図録の絵を見たところでそれは所詮図録の絵でしかない。思ったときにやらないと機会を逸してしまうもの。人も同じ、会いたいと思ったときに会っておかないと、先延ばしにしているうちに、もう二度と会えずに終わることもある。

小四のとき、転校した福岡の小学校で虐められたことがある。やがて他の男の子たちも申し合わせたようにボス的存在の男の子に同調し、そのやり方はエスカレートしていく。日々学校ではそんな状況、家も不和で暗かったのだろう、ストレスを沢山背負ってたのかもしれない。僕はそんなある日家の近くの池で蛇を捕まえて殺した。大きな石を使ってかなり残酷なやり方で。今でも遅くなければあのときに殺してしまったあの蛇に心から謝りたい。

僕の店の近くに美味しいケーキ屋がある。一番好きな花屋はケーキ屋に行く途中にある。こんなときに、こんな先の見通せない日々に、そこでケーキを買い小さめで品の良いモンブランを惜しみながら食べる。その花屋で芍薬(しゃくやく)の花を買い、活けてはそれが少しずつ色が薄まりながら開くのを楽しむ。そんな些細なことで不安混じりのモノトーンな時間に多少の彩りが出る。