ヴィクトリア時代のビーズの小物入れ

イギリス19世紀後半のビーズの小物入れ(22,5 x 14,5cm)です。状態は良いですし、ビーズのほころびも殆どありません。余り目立たないところに置いてあるので、常連の方でも見られたことないかもしれません。しかしビーズ何個あるんでしょうか、気の遠くなる作業でしょうね。

最近良く聴くCDの一つが、前にもタルティーニのヴァイオリン・ソナタで紹介した、ミシェル・マカルスキがジャズのキース・ジャレットのピアノ伴奏で弾いているバッハのヴァイオリン・ソナタの二枚組のCD(ECM)です。とても良い演奏ですし、キースのピアノも素晴らしい。何度聴いても飽きません。最初買ったときはそこまでは思わなかったのに、何度も聴いているうちにその真価に少しずつ気付いてる感じです。何のジャンルのものでもそうですが、本当に良いものは余計な虚飾や誇張を排したところに立ってるので、ともすると、とても普通のものに思えて、さっと表面だけを「流す」感じで受けてしまい大きな間違いをおかすときがあります。その作品が発している上質の細やかな声が聴こえないんですね。表面だけをなぞり、過小評価してしまうんです。

と、ここまで書いて行き詰っていたら、近所の仲の良いおばさんが自転車でアップルパイを丸ごと一個届けてくれました。これでおばさんから頂くのは三個目。最近オーブンを買いアップルパイ作りにハマっているらしく、僕が最初に貰ったときに「美味しかったよ〜」と伝えると、それからも「喜んで食べてくれたらそれでいいのよ〜」と言いながら持って来てくれます。彼女はちょっと変わった人で、二十年位前は、いつもの配達用の自転車のハンドルに大きな鸚鵡を載せて、その鸚鵡に話し掛けながら歩いてました。公園にホームレスの人がいたりすると自分のビルに泊めてあげたりして、そうですね、奇特な方ですね。僕が店を開いて間もない頃に鸚鵡と一緒に入って来られて、危ない危ない、xxちゃん(鸚鵡の名前)は木が好きだからお店の棚をガブッと食べちゃうぞ〜、何て言いながらお店から出て行かれたのを覚えています。

今年の五月の渡英はほぼ確実に無理なようなので、私は日々お店を開けながら、書くことに専念したいと思っています。家では物語を書いて、店ではこのブログを書いて過ごします。まあ何時かはこの大変な時期が過去の思い出としてある感傷と共に思い出される日も来るでしょう。後悔しないように、出来るだけ沢山の時間を書いて過ごしたいと思います。この乱脈で纏まりのないブログも皆さんの暇潰し以上の何かになれば嬉しいです。