18世紀の銅版画

二年位前にオランダで仕入れた銅版画の額をオーダーして作り直して貰いました(25 x 17cm)。額を良くすると前よりぐっと見栄えがします。恐らく18世紀の物で、自信はないですが今で言うドイツ方面で作られた物ではないかと思います。正直よく分かりません。仕入れた時に入ってた額があまり良い物ではなかったので作って貰いました。

今、カミュの「ペスト」が売れてるらしいです。ここ最近本屋やネットで売れる本にじわじわと変化が起きてるのではないかと思ってます。正体不明のウイルスが世界に蔓延するというこの不測の状況下で、急激に色褪せて魅力を失っている「言葉」があるように思います。前にも書いた時代の「浮力」が失せ始め、代わりに僕たちは一様に、長い間見ることのなかった「地面」が姿を現し、そのザラザラとした慣れない感触に戸惑っているような、そんな状況で、読む言葉、読みたくなる言葉はどのようなものなのか。今の作家でも売れなくなって食えなくなってくる人もいるでしょうし(僕はそれはそれでいいと思う)、恐らく今まで以上に明治期から昭和にかけての作家に回帰していくのじゃないか。そんな気がしてます。もしかすると、「ポスト・コロナ」という区切りで文学や芸術を語ることが可能になるのではないか、今の政治家なんかでも自分の言葉を持たずにただ場当たり的にも見える対策を弄している人たちは急に色褪せてボウレイのように見え始めています。そんな人は色褪せてしまえばいいと思います(自分の言葉を持ち過ぎているのも間違えると怖いことになるが)。

これを機に、僕は色んな虚飾の物、人が褪色して、もう少しマシな世の中にならないかな、早くこの気狂いじみたパロディーに終止符を打ってくれないかな、と思ってます。未だに変わろうとせず、何も起きてはいないように振る舞っているボウレイたち。どんどん褪色していって下さい、僕たちはあなたたちが消えてしまうまでしっかり見届けますから。