1730年頃のワインボトル(16,5cm x 10cm)、恐らくイギリスの物。久し振りに古い瓶を仕入れました。渋いですが、写真に撮るのは難しいです。肉眼で見るときの質感を再現するのは無理ですね。イギリスの何処かの博物館に収蔵されていた物です。
最近遠方から観光で来られる方に時々言われます、金沢も最近は雰囲気と言うか落ち着いた感じが無くなってきた、と。僕も同感です、市井の人が暮らす日常の空間だったところを何処も彼処も「観光資源化」しようとすればそりゃあ乱れますし雰囲気も無くなります。目先のことに囚われていて、長期的ビジョンから、こうしようああしよう、と言う考えをしっかり持った人がこの街を動かしている人に少ないんでしょうね、、多分。箱モノを作るだけではなく、如何にして今ある魅力を、不可視な部分も含めて守っていくか、そう言う議論が余りにもないんだと思います。余り人気が出過ぎないようにコントロールしていくのが「長持ち」するのに大事だと思いますが、今のままだと、パーっと咲いて気が付いたら枝しか無いわ、ということになりかねない。
無用の美、とでも言ったらいいのでしょうか。旅先で街を歩いていると何に使われているわけではない無名の何気無い建物や遊び場、置き物などに心奪われることがありますよね。旅をしているときには人はそんな物を見つけては心奪われ、旅の後でも思い返したりするもの。いや、街でふと見かけた市井の人の姿でもいい、何をした訳でもされた訳でもない、その接点の無いただ見掛けただけの人の姿が心に残る。そういったものが開発三昧のこの街からは消失しかかっているんです。
でも、ご心配なく。金沢も観光地区から少しだけずらせばまだまだ味のある光景には出会えますから。王道の観光名所は全く行かずに避けて、只管(ひたすら)裏道歩いてご自分の心に響く場所を見つけて下さい。
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