最後の仕入れ。

こちらに来て丸三週間になる、とても長くイギリスにいるように感じる、英語のほうも三週目辺りから大分勘が戻ってくる。昨日から一泊で仕入れに行って来て先程電車でロンドンに戻って来た。もう仕入れも殆ど終わり。これだけ色んな所に移動しててインフルエンザに罹らなかったのは良かったと思う、それほどこちらでは具合の悪い人が多い。この流行に関しては僕はアフター・コロナの流れの一つなのではないかと特に根拠は無いのだが思っている。人間は急拵えのワクチンを作って対処したがウイルスのほうも人間が作ったものと戦うべく変化していくのではないか、向こうから見れば人間は敵だ。そんなことを勝手に考えた。今回のイギリスのインフルエンザはロンドンで見てても何となくイヤな感じがする、何か普通じゃないような。だから僕は家に着いたら手を洗い嗽をしている。後は栄養をしっかり取るようにして疲れを溜めないように気を付けている。

アンティークの仕入れは何年経っても難しいなと思う。多種多様の落とし穴が待っていて、そこに落ちればいずれ大変なことになる。一見羽振りが良く調子良いように見えていても実は堕ちていってる奴もいる、僕は多少勘がありそんな奴は何となく分かる、そういう奴らを横目で見ながら、大丈夫かな、と思っている。人は大きなお金を動かしだすと盲目になる、良い奴でも、いや、良い奴だからこそ罠にハマるのだ。貴金属が異常に高騰している、そこに目を付け大きなお金を動かす奴ら、それはもうアンティークの売り買いではない、只の相場師の仕事だ。怖い怖い、何時かしっぺ返しが来て其奴らは一気に萎むのか、動くお金の桁数の話しばかりしている彼ら。今、「彼ら」と書いたが女性はこんなときは意外と冷静に観ているだけだ。男のほうが穴にハマる。

ではまた。来週火曜にロンドンを発ちます。