ダブリンからの帰路。

木金の一泊でダブリンに行って来た、二十八年振りのダブリン、昔の面影は街の何処にも無かった。またこれに関しては僕の気持ちは凄く複雑なので改めて書くことにして、昨日の夕方四時、詩人の津川さんとアイリッシュの友人と三人で街中のカフェで歓談の後空港行きのバスが出るバス停に向かった。場所を間違えたこともあり少し遅れて五時前にバス停に着き、空港行きの直行バスを待ったがバスは中々に来ずやっと来たかと思うとバスは一杯で乗れず、やっと乗車出来たのは五時半過ぎだった、親切にも友人二人は僕が乗れるまで一緒にいて助けてくれた。フライトは七時十五分の予定だったが何と三時間以上遅れた、飛行機に乗ったのは十時半過ぎ、飛行機は雲の中を結構揺れ無事 Luton airport に着いたのは十二時前、ロンドンに戻る電車はもう無く、十二時半発のロンドン行きのバスは満席で仕方なく午前一時発のチケットを券売機で買い、取り敢えずホッとするが、二十分前にバス停に行くと飛行機の遅延で取り残された人達で一杯、皆んなバスの乗車口に向かって押し競饅頭みたいに押し寄せた。運転手が前の方にいる人から乗せ始めたが段々満席になってくると急に車掌さんみたいな人が残った人を、one,two,three,four,five,six,seven、と数えると僕の一人前でカウントは止まり、車掌が、はーい、ここまでね、と言い鉄のゲートが閉められた。残された人約三十人、運転手が、次のバスが直ぐ来るから、と言いながらも鉄のバーで閉め出され、これが紛争とか戦争で国外脱出のバスだったら命の分かれ道だな、とか考えながら次のバスを待った、色んな国籍の若い子が多かったが皆割と冷静だった。一時半次のバスが来る、今度はやっと乗れる。運転手は若い黒人の女性、午前発の暗闇を走る高速バスの運転手が女性というのは日本ではまずないな、と思う。次に僕が思案したのがバスを何処で降りるかということ、Paddington まで行けばタクシーで帰ることになるか二十四時間走るナイトバスだ。バスの停車駅を事前に確認していたのだが僕の宿から歩いて十五分位の地下鉄駅で停まる。其処は高級住宅街なので真夜中に一人歩いても大丈夫だろうとふんだ、ただその女性の運転手さんが停車するときに、小さい声で停車場の名前を言うだけで何処にも表示が出ない、そうなると外を見ながら大体の場所を推測するしかない、Golder’s Green に着いた辺りから暗闇の街をよく見ながら逃さないように気を付ける。運転手の女性が小さい声で僕の降りたい場所の名前を言う、綺麗な声だがちゃんと聴こえない。降りるときに彼女に確認すると大きな眼が光って見え笑顔で答えてくれた、こんなときの笑顔は癒される。後は google map 見ながら暗闇の中十五分ほど歩いた、流石高級住宅街、変な輩は皆無。大家の女性にも内鍵を掛けないように whatsapp(Lineのようなもの)で連絡して置いたので、無事帰宅出来た。午前三時。ある意味面白かったけどまあこういう経験は余りしたくないかな。日本から持って来たカップラーメン食べ身体を温めて寝た。

(写真は上から、夜になり閉店した空港のカフェ、飛行機の乗り込むとき、バスを降りて歩いてるとき)