前回のロンドン滞在中にFoylesでこんな本を見つけた、日本の本「嫌われる勇気」の翻訳本、イギリス人がこんな本を読むとは余り思えないけどロンドンの本屋には世界中から人が来るからもしかしたら売れているのかもしれない。まあ今は日本の本がイギリスでも人気なのでその影響がこういう本にまで及んでいるのかも、とも思う。イギリス人は、人に嫌われることを気にするような人は少ないと思うがもしかしたら若い世代は違うのか。兎に角このような本がロンドンの書店に並ぶとは時代は変わって来ているのだ。そういえば「生き甲斐(Ikigai)という言葉もイギリスの書店で時々見掛けるようになった、イギリス人にとっては魅力ある言葉に響くのかもしれない、確かに一語でこれに当たるような英語はないと思う。このような言葉がイギリス人に響くという現象も産業革命以前のイギリス人の倫理観などと何処かで繋がっているのかなとふと思う。
ここ最近金沢に世界中から来る観光客の多いこと、この街はパンク状態だ、小柄な人が自分の体重の二倍くらいの荷物を背負ってよろめいてるイメージが今の金沢を見てると浮かんでくる。街並みも荒れてきているし徐々にこの街にあった筈の品の良さは薄れつつある。でももうこの流れは止められないと思う、この街が荒れていき、その後何かの理由で観光客がひいてしまったときの金沢の姿を思ってみたりもする。街中にある俄か作りのホテル街は一挙に廃墟となるだろう。街中の飲食店も観光客相手なので割高な価格設定になっていて僕ら地元民には使いづらい。一昔前の金沢の通りにあった、ひっそりと湿った空気、これが消えつつある、ちょっと大声で話すのが躊躇われるような雰囲気、これがないように感じる。
リゾート化した街は醜い、人が沢山来て経済が潤いその代償として失われるもの、二枚目の写真は八年前の金沢城付近の写真、明らかに今とは空気感が違う、この写真のようなスキッとした鮮明さが今の金沢には無い、まあでもこれはきっと観光地の宿命なのだ、残念だけど。
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