山猫夢幻堂。

僕の友人が東山で店を開いた、「山猫夢幻堂」、開いたといってもこの二十五年くらいの間に同じような店を開いては止めるのを繰り返しているので、これで四回目のオープンだろうか。変わり者で、つげ義春の漫画の主人公が漫画から抜け出して生きてるような奴だ、今日も店に行ったら変な青いドアが開いて中からつげさんの漫画「ゲンセンカン主人」みたいな男がヌッと現れた。僕とは共通点が三つある、九州出身、一人っ子、同じ歳。彼と比べたら僕はフツーの人だ、彼のように世間と相容れない独特の人生を歩む気概は僕には無い。山猫(彼のあだ名)は貧乏にもめげずずっと自分の人生を歩んでいる、きっと後悔はないだろう、世俗的な処から遠いところで生きている、優しい奴だが、それと同じくらい頑固でもある、幾らビンボーしても自分のやり方を変えない、出来ないのかしないのかは分からないが、まぁ彼にはきっと彼なりの人生の美学みたいなものがあるのだろう。

とても変わった店が好きな方は是非どうぞ、コーヒーとジンジャエール、それに古物もあります。場所はフェイスブックで検索下さい。

今度はずっと細々でいいので店を続けて欲しいと思う。本当につげ義春の漫画の世界に迷い込んだような店だ、彼にしか出来ない。