シルバーのヴィネグレット。

シルバーのヴィネグレット(3,5 x 2,4 x 0,9 cm)、バーミングハム製、1820年頃、John Bettridge 工房製、内側は金メッキが施され、内蓋は透し彫り、中々凝っている。ヴィネグレットは、ご婦人が香水のようなもの(ヴィネグレットというくらいだから酸を含んだ液体だろう、だから内側には金メッキがされている)を綿に染み込ませ、この中に入れて携帯した物。気分が悪くなったり、外の悪臭を搔き消すのにこれを開けて匂いを嗅いだのだろう、だからこういうふうに中蓋が付いている。当時このような物を持ち歩いたのは中流でも上のほうか上流に近いご婦人だろう、実際にこれをどれくらい使用したのかは分からない、半分は身嗜みとしてのお洒落アイテムだったのかもしれない。小さいけれどとても素敵な箱物、持っているだけで気分が上がる、それくらいの魅力がある。縦横高さのバランスも良いし、ヒンジ(蝶番)も繊細で開け閉めの感じも良く全てが美しい。多分売れるだろう近いうちに、何故なら売りたくないと思うくらい魅力的だから。

今回の記事で599回目になる、良く書いたと思う、自分ではこのブログが面白いのかそうでないのかは分からない、自分のことは自分では分からないから、まあぼちぼちというところか、余り気負わず書いてるのが良いのかもしれない。唯、軽くなり過ぎないようには気を付けてるつもりだ。現代の文学でも音楽や絵画でも僕は嫌いなもの認めていないものをはっきり書くので気分を害する人も多分いるだろう、まあでも仕方ない、嘘はつけない、社会に対しての批判的発言も多い、唯政治的なところは避けている、僕がそれを言えるほど知らないし、政治と宗教には入り込まないようにしている、それこそ、ファシストでもない限り個人の自由だから、唯この記事を読み続けてくれている方でドナルド・トランプが好きな人はいないと思うし熱烈な自民党支持者も少ないだろう。僕自身は恐らく「リベラル」なものの考え方に近いだろう、例えば昔の日本人のインテリでエスペラント語を熱心に勉強してたような人には敬意を表する。僕は言葉に関しては現実的で、矢張り経済の力に寄って支配されるのだと思う、英語が国際的言語になっているのはヘゲモニー国家が過去二百年以上に渡りイギリス、アメリカと続いたからだろう、では次は皆んな中国語を話すのか、多分そうはならないだろう、彼らの経済的支配の仕方は歪だし、同時に国際的に通用する価値観を持っている訳でもない、その点では台湾のほうが魅力的だ、僕はそう簡単に中国は台湾に手を出せないと思う、もし彼らが正気ならばの話だが、、。

そういえば、中国の明や明末辺りの南画家や書家にもどちらかというと反権力的なところがある、権力者から遠く離れた僻地で元は貴い身分だったりするのだが狂人のフリをして描いている、権力者の家に招かれて作品を乞われ、書く代わりに庭でクソして帰ったという強者もいる。彼らは作品も売らない、気に入った人にだけあげる。明末の画家では八大山人など有名だ、彼の絵はいい、書は僕はそんなにいいとは思わないけれど。

では、Have a nice day.