地下鉄で不思議な、、。

荷物を送る箱を買いに地下鉄に乗って西へ出掛けた、今まで使ってた梱包資材の店が息子の代になり、やる気が無く店に彼女と二人で座って適当にやってるだけなので、これはもう新しいところを探そうと思い、遠くへ行ってみた。駅の名は Acton Town 、アラブ系の店の人は親切で親身になって箱の大きさを、色んな箱を出してみながら、決めてくれた。夕方配達して貰う手配をして僕は駅前の店でハンバーガーを食べ、また地下鉄に乗った。ハンバーガー食べたせいか眠くて、先ずはくしゃみをすると、隣の大きなスーツケース持ったどうだろう六十代くらいの大柄の白人女性が、bless you、と言ってくれたので、昨今珍しいなと思いながら例を述べた、それから僕は疲れていたのか少し寝て、また目が覚めた、向かいの女性二人が話し込んでいたが彼女らが降りるときに隣の女性が、私もそう思うわ、と口を挟み、互いに数秒会話を交わしながら二人は降りた。僕は、この女性面白い人だな、と思い、さっきのくしゃみのこともあり話しかけてみた。僕のことを中国人か香港人と思ったらしく、日本人だと言うと、あら失礼、と返され、それから日本の話しを少しして、彼女はスコットランドで一年の半分を過ごし後はマレーシアで暮らしその生活を四十年続けてると言った。とても雰囲気の柔らかい包み込むような人だった、Green Park に着き彼女が降りるとき荷物が多かったので僕は右手を伸ばし支えようとした、そのとき何故か彼女の左手が僕の手を握り僕たちは指で握手のような動作をした、とても自然だったし、どちらからした訳でもない、とても柔らかく温かい手で僕は何かに包まれたように後で思った、変な意味ではない、この人はきっと普通の人とは少し違う世界を生きている人なのだろう、でなければ僕はそんな印象を受けないはずだ、不思議な人だった、僕は瞬間何かを「貰った」ような気すらした。もう二度と会うことのない人との一瞬の触れ合い、不思議だった、不思議。世の中には不思議な人がいる、僕らが気が付けばの話だが。