追記、真鍮製の嗅ぎタバコ入れ、1850年。

昨日記事を書いてから思ったのですが、この真ん中のクロス状の物、錨なのではないかな、と。それにロープが巻き付いている。そうすると、パイプ、グラス、ボトル、水差しは船で使われた道具、このモットーの意味も、船で働くうえでの、教訓、自戒めいた意味合いになって来る。船の上での共同生活は大変でしょうから、、。お互いを尊重して争わず、自分は自分、他人は他人、協調しながら船上で仕事をして暮らす。そうするとこれは船乗りが持っていたタバコ入れとなる。唯、船乗りと言っても流れ者のような奴ではなく、もっとちゃんとしたというか、もう少し上のクラスの船乗りの持ち物でしょうね。そういう想像で見るとまた見え方が違って来る。それか、船乗り達の集まるクラブのようなものがあって、定期的にパブリックハウス(パブ)のような所で集まって騒いでいた。又はある程度歳を重ねた人が昔を懐かしむようにこのタバコ入れを持ち歩いていた、、。

まあ兎に角想像を掻き立てる物ですね。

1850年と彫られていますが、まだヴィクトリア時代になって十数年、殆どの大人はジョージア時代生まれの頃、18世紀生まれの人もまだいたでしょう。これを彫った職人さんの字も味があり良いですね。これはそれよりもう少し前に作られたのかもしれません。ヒンジの所や蓋を閉めるボタンの所がとても上手です、さり気なく、雑に見えるけど上手い。熟練の職人ですね。掌に載せて握るととても心地良い形をしています。可愛い小箱です。