5/8(木)休みます。5/13(火)~6/13(金)仕入れで休みます。申し訳ありません。
何時もの仕入れより数日長いです、チケットの値段の関係などで偶々そうなりました。本当は三週間半位が好きなのですが、まあ余裕を持って仕入れて来たいと思います。仕入れは時間掛かりますので。帰国して6/16を迎えると開店丸二十七年となり、二十八年目に入ります、長いですね、店始めたときは弱冠三十六歳でしたから。今の場所に移転して今年で五年目です、本当に移転出来て良かったです、今はのんびりやってます。もう六十代ですからマイペースが一番です。
久し振りにバッハを聴いている、アンナー・ビルスマ演奏のバッハの無伴奏、楽器はチェロ・ピッコロ。とても良い、久し振りに無伴奏を聴くと新鮮だ、バッハを長い間聴かなかったので。小林秀雄の「考えるヒント」を古本屋で買い久し振りにパラパラ読んだ、こちらも新鮮だった。初めてこの本を知ったのは高三のとき、国立医学部狙いのクラスメートの女の子が授業聴かずに読んでいたのを前の席からちょっかい出して、小林秀雄という評論家を知った次第。二十代前半で読んだ小林秀雄を今再読するととても新鮮、中にはもう読めないような文章もあるが、全体としてはとても魅力的な文章だ。あの頃は、何かを得るのに必死で読もうとしていたので力み過ぎで文章を味わうゆとりなど何処にもなかったのだ、今は単に読んでそこから愉しみを得たいだけ、同じ読書でもその向き合い方は随分と異なる。絵を観るときも同じだった、まるで戦いでも挑むかのように絵を必死に眺めた。でも、その割には何も観えてはいなかったのだ。その頃の行為を無駄だとまでは思わないが、その力みがものを観るのに邪魔になっていたことは否めないだろう。
今の僕の芸術や骨董、文学等に対する接し方はもっとあっさりとしている、ふとしたときに音楽が聴こえる、手近にある本から小品をサッと読む、部屋に掛けている水彩画の小品を偶に眺め入る、わざわざ何かを求めるように美しいものに触れていくというより、日常の生活の中に起こる偶然性を拾うようにして、読んだり眺めたりしている、勿論書くのは別だ、これはもっと真剣勝負の世界だし、とても能動的である、が、鑑賞となると、結構適当なのだ。ただ、いい加減に観る聴く読む訳ではない、生活の流れの中で味わうような感じなのだ。少し誇張して言えば、「もの」が向こうからやってくる感覚に近い。人との出逢いも同じかも知れない、人は向こうからやってくるのだ。流れの中で人と出逢う。
では皆さん良い連休をお過ごし下さい。
(写真は2016年のロンドン)
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