今日は用事があり兼六園近くのあるコーヒー屋に行った、と言っても今ここは営業していないので普通の人は入れない。K珈琲は知る人ぞ知る有名なコーヒー屋、店主は八十代半ばで性格も強烈だが、彼の焙煎したコーヒーは普通には買えない、完全な紹介制。カウンターに座ると暫くして彼がコーヒーを淹れてくれた。彼の淹れるコーヒー、そのコーヒーカップの黒い液体はもう飲む前からとても美味しそうな色で輝いている、その色が美味しいことを物語っている。彼は若い頃殴られながら仕事を覚えた。今日の彼の名言、「パワハラなんかなかったらコーヒーなんか作れるか!」。ちょっと怒っただけでもパワハラだと言われるこんな時代に本当の厳しい職人は育たないと思う。厳しい修行とパワハラは紙一重、そのようなギリギリの世界で職人は一人前になるのだ。本当の愛情が姿を消したのが現代だとも言えないこともない。
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