シルエット画、イギリス1800~20年頃(15,5 x 12,8 cm)。18世紀から19世紀初めまでこのようなシルエットを黒で描いた肖像画が流行りました。これもイギリスの当時のジェントルマンの肖像画です、黒一色のようでよく見ると結構細かく描かれています。額もオリジナルです。イギリス人は他のヨーロッパ人と比べて黒色の使い方が上手い気がします。きっと黒という色が18世紀のイギリス人は好きだったのではないでしょうか。19世紀に入りヴィクトリア時代になるともっと派手になり、黒をとりわけ好むような趣味は消えますね。
今の店に四年前に移ってから常連さんは事前にメールなどで連絡があり、予約されて来られるようになった。もうそろそろ予約制にしてもいいのではないかと言われることもあるし僕もそんな気が半分はある。が、ふらっと知らない人が入ってくる意外性も僕は好きなので予約制にせずにいる、まあどちらにせよ店には鍵が掛かっているのでインターフォン押さないと入れないのだが。それか将来的には週の半分は普通に開けて後の半分は予約制にするのもいいかもしれない、後五、六年したらそうするかも知れない。若い人でも面白いお客さんが初めて来られてそれがお互いにとって良い出逢いになることも偶にある、そう多くはないが偶にはあるのだ。それと完全に予約制にしたら入り難い店になってしまいそれも余り好きではない。敷居の高さは程良いのが良いと思う。只でさえ人が来ないのにこれ以上入り難い店にしたら大変だ。
新竪町の商店街に店があった頃は通りすがりの人が出たり入ったりで正直疲れた、もうあの頃には戻りたくはない。僕が今最も好むのは静寂だから、静かに暮らしたいのだ。今日近くの古本屋で「言論自滅列島」(河出文庫)という本を買った、斎藤貴男、鈴木邦男、森達也の三人の対談。僕は鈴木邦男さんのファンだったし、森達也さんにも興味があるので買った。鈴木邦男さんは所謂「右翼」ではなくもっと自由な頭を持った面白い方です、彼が所属してた右寄りの宗教団体に僕も高校生の頃一時期入ってた(それで僕は受験勉強を棒に振りました)のでそういう接点もあり興味があります。この本内容が中々過激。今なら出版無理ですね、元々は2005年の本です。まあこのメンバーで過激な内容にならない訳が無い!2000年以降出版界は自己規制が加速しますから、こんな面白い本が出ていたギリギリの時期にやや遅れて出版された感じですね。この二十年、本当に世の中劣化しましたね、詰まらない、みんなものを考えなくなりました、本だけじゃなく凡ゆる物が詰まらなくなった、簡単に言うと世の中美しくなくなった、本当に ugly になった、醜悪になった。残念です。例えば、今の公道を走ってる車で美しい車がどれだけあるでしょうか、勿論主観の問題ですが、今の車もムダにデカくて ugly です。書店に並ぶ本のデザインも同じ、美しくない、高級腕時計も。今のロレックスやオメガ買うくらいならカシオでいい。腕時計が綺麗なのは60年代までかな。
という訳で、この土日当店は誰も来ずパーフェクトゲームです、閉店まで後二時間、このままヒット無しで終わるのでしょうか。
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