検索の病い。

人と話したりしてて知らない名前が出てくると取り敢えず検索、ググッテ何となく納得する、分かった気分になる、これが一日の中で何回も続き終いには下らないことまで思い付きで検索しだす始末。でも、検索で得たものは何の身にもならない、手の上の泡のように瞬く間に消える。気が付くと検索している、検索がクセになる、検索しないと気分が悪い、開けた蓋を閉めてないような気分になる。

このようにして現代人の二十四時間は喰われて減っていく、アナだらけの一日、持続性を欠いたあれやこれやで継ぎ接ぎの時間、落ち着きなく神経は摩耗していく。

誰がこんなふうな日常をもたらしたのか、自分の責任か、そうかもしれない、スマホ化する脳、恐らく僕らの生活を相当に蝕んでいるスマホ、でもそうは見えないからかえって怖い。自分の生活を取り戻したい、もっと重く強くどろっとした時間の中に浸かり沈む、濃密な時間が自分を生き返らせる、これ以上薄まり続けたら人間じゃない、僕は机について読む書くを繰り返す。

子供の頃からパソコンタブレットに慣れ親しむのはいいことだろうか、子供の脳を侵食して人間のあるべき姿が歪められていくのではないか、そんなもんそんなに要るかな、何か全てが怖い方向に進んでいる。

皆んながスマホを持ち、国家は武器をどんどん増やし、スマホと武器だけが増えていく。変じゃないですか、今の世。

(写真はオランダ、主にアムステルダム)