シルバートレーの記事の続き、左右同じに見えますが裏面のシルバーのマークを調べると、左は1777年製で、Robert Johns & John Scofield工房、どうやらこの工房は1776~78年のたったの二年だけ存在した工房で、John Scofield という親方職人が有名な職人みたいでその人の初期の作品が作られたのがこの工房らしい。右は1781年製、工房はマークが上のほうが欠けているのですがよく見ると、上のほうにRCのアルファベットが欠けている、それを補うと、Richard Carter, Daniel Smith, Robert Sharp の三人親方の工房であると判明、ここもとても重要な工房のよう。恐らく、作らせたのは有力貴族で、ロンドンの一流工房に先ず1777年に作らせ、何らかの理由で追加で四年後に同じ物を別の有名工房に作らせた、恐らく左のを工房に持って行き発注した。恐らくそういう時は執事や家政婦(ハウスキーパー、家全体を仕切る上級召使い)が出向いて注文したのでしょうか。そして全く同じ美しい出来のトレーが仕上がって来た。堂々たる美しいトレー。本当に素晴らしい!今から二百五十年前のロンドンの一流職人の仕事です。当時の貴族は基本田舎に住んでいて夏になると召使いを従えて社交の為にロンドンに出て来る、そんな折にトレーを発注したのでしょうか、、色々想像が膨らみます。
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