夜明け方に思う、、。

帰国して暫くは時差ボケが取れない、僕はそれに抗わず眠たいときに眠る、パイプを喫う、棒茶を飲む、くだらないネットニュースを見る、ネットニュースはニュースというより週刊誌のゴシップに近い、ページを開くとそれが履歴になりバイアスが更にかかるのでニュースは余り開かない、所詮読んでも心に残るものは極少ないからだ。

自分の部屋で机に着いていると落ち着き、本来の自分が蘇ってくる、旅の間小さいノートを携行してちょこちょこと書いてはいたがその量はしれている、それでもカフェでノートを取り出しボールペンで書いていると落ち着く。ノートとは不思議なもので開いてペンを握ると何も書けないということは殆どない、ジッとしていると言葉が湧いてくる、ノートとペンで「形」を作るとそこが入り口となり言葉が出てくる、それはドラえもんのどこでもドアのようなもの、ノートとペンで何処にいようが「入り口」が出来るのだ。

紙に書くとはある種の衝動のようなもの、最近はエッセーばかり書いていたが、今は短編を書きたい物語を書きたい欲求が湧いてきている。帰国してエッセーを一つ書いたが、物語を書きたいと思い、その為のメモをノートに取った。僕の中では書く行為には祈りの要素がある、祈りに近いものだ。僕の友人でアイルランドの詩人から最近聞いたのだが彼女の友人は宮沢賢治を読む前に必ず手を洗うそうだ、この気持ちは理解出来る、宮沢賢治ならばそうなるかもしれない。手を洗うとは手に付いているケガレを落とすわけだから、その読む行為にケガレを持ち込まないということ。

さて寝るとしよう、無事帰国出来たことに感謝したいと思う。