イギリス仕入れの旅も三週目に入った、何年やっていてもアンティークの仕入れは奥が深く難しいと思う、長い仕入れの旅の中でオンとオフを上手に使い分けるのが難しいのだ。毎日仕入れればオンが続く、其処に余り仕入れない日や全く仕入れない日を挟んでリズムをつける、毎日仕入れていると何というか弾みで買うようになり前のめりになる。其処にオフ気味の日や全くオフの日を挟みちょっと気持ちを落ち着かせる、アンティークを見ない日を作るのもいい、少し離れるのだ。オフがあったほうが思いっ切りオンにもなれる、そうやって付けたり消したりしながら自分の気持ちをコントロールする、また良い物に出逢うには運も要るので一日で運を使い過ぎないように取っておく。
プロのディーラーが早朝から殺気立って集まるような大きなフェアーに行くと、大きなテーブルを大男たちがぐるりと囲んでテーブルに投げ出された物を奪い合うように買っている。僕はそういう所には余り行かない、それよりも誰も見向きもしないような片隅にある物をじっくり一人で楽しみながら見て選ぶのが好きだ、お陰で今日もいい絵が沢山買えた。プロでも所詮雰囲気に流されて買うもの、冷静なディーラーのほうが意外と少ないのだ。
唯、一番重要なのは、速いことだ、一瞬で観てサッと決める、詰まり買うこと。遅いのはダメだ、スピードはとても重要。よく骨董屋に入って気に入った物があるのに決められず、次に来てあったら買います、という人がいるが、プロには向いていない。プロの場合次はないのだ。スマートにサッと買う。キレイに買う人のところには物も集まって来る、そういうものだ。
明日はオフの日、だからアンティークは見ない。土日はオンになるので明日は離れる、焦らないのが大切。
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