Harry Mafuji さんの個展を観にエジンバラに行く。

一昨日日帰りで Harry Mafuji さんの絵の個展を観にエジンバラに行きました(“Harry Mafuji Edinburgh ”で検索されたら彼のサイトで作品が見られます)。真藤さんに出逢ったのはもう十五年位前のこと、当時エジンバラ郊外で開かれていたアンティークフェアーに友人ディーラーのWさんと行き、フェアー会場からの帰りのバスの後ろのほうの席で僕とWさんが冗談交じりの口喧嘩をしてたらすぐ前の席からニョッコリ東洋人の顔が現れこちらを向いて、日本人の方ですか、と訊かれたのが縁の始まり。以来、真藤さんには大変お世話になり親しくお付き合いをさせて頂いている。エジンバラ在住の彼は数年以上前から仕事の量を随分と減らし、今は絵の制作中心の生活で毎年個展をエジンバラのギャラリーで開いている、今年はエジンバラの図書館の一室でやると言うので僕はWさんと出掛けた次第。

彼の絵を纏めて実際に観るのは初めてであったが、久し振りに僕の眼は「スイッチが入り」取り敢えず三枚求めさせて貰った。ロンドンに戻った夜も忘れられない絵が何枚かあり、もっと買わなかった自分を後悔していた。

それほど彼の絵は素晴らしかったのだ、謙虚な彼には、塩井さん本当に欲しくて買われましたか、詰まり友人故のギリガイではないのかと言われたが、とんでもない。枚数絞るのに苦労したほど。それくらい彼の絵は魅力的だったのだ。七十代後半の年齢でこれほど精力的に絵を描く彼のエネルギーは凄い、とても謙虚な性格である彼なのだが、絵のほうはとても「攻めていて」、しかもその攻め方が的を得ていて素晴らしい。

僕は今、金沢で彼の個展をやろうと考えている。皆さんに Harry Mafuji の絵を観て欲しいし、彼の個展が日本で開催されるのはとても意義があるように思うのだ。彼の素晴らしい絵を皆さんに観て貰いたい、という僕の気持ち。

日帰りのエジンバラだったが、数時間の滞在でエジンバラの街から大きなエネルギーを貰いロンドンに戻って来た。ここにはロンドンにはないものがある、だから行かないとエネルギーが欠乏してくる、エジンバラの駅に降り立つと本当に脚からエネルギーが流れ込むのが分かる。何時もここに来ると「帰って来た」と思う、「来た」ではないのだ、エジンバラに来ると僕の魂が喜んでいる、そう思う。