19世紀初めの十二面嗅ぎタバコ入れ。

19世紀初めの木製嗅ぎタバコ入れ(8 x 3,2 cm) 、横から見ると十二面あります。可成りの珍品です。こういう物は一度見たら最後二度と同じ物は見ません、とてもレアなので。嗅ぎタバコ入れなどを専門にやってる年配の男性から仕入れました。こういう物を扱うのは殆ど男性ディーラーです、それも年配の。中には半世紀以上やってる人もいますね、皆んな本当に「物」が好き、古い物が好きなんですね、見ていて分かります。今の日本の若いプロの子でオシャレにやってる人でも渋い物とかやりますが、彼らは物が好きそうに見えてもちょっと違う、本当に好きな人ではないな、という感じがします。直感で分かるんです長年やってると、大体バレてますね。本当に好きなプロの人が持ってる物と好きなフリしてる人が持ってる物も違いますね、客層も違う、金儲けが上手いのは「フリの人」だけれど。今の業界は何処の世界もそういう「フリの人」がマジョリティのようですね、作家もそう。まあ僕は関係無いのでいいんです、フリの人とは殆ど付き合いないですから。

昨日から「魂の邂逅  石牟礼道子と渡辺京二」という面白いというかスリリングな本を読んでまして、石牟礼道子さんは若い頃手紙の中とかで人(先輩の作家、歌人)を揶揄するときにカタカナを使った、と知り、真似してみました。玉川図書館で見つけて借りたのですが面白過ぎて付箋を貼ったり線引いたり書き込みなどの衝動が出て来て夜中ネットで注文しました。パイプの灰で汚しそうでもあるし。金沢の図書館は玉川図書館が建物も雰囲気も好きで専門書や資料的図書をしっかり収蔵しています。今は県立図書館が人気ですが僕はここが好き、基本図書館苦手だけどここは例外的存在。それと街中にあるのもいい、県立図書館は郊外にあるので面倒だし人気で人も多そうなので避けてます。玉川図書館は建築も有名な建築家の設計だった気がします、谷口吉郎氏と吉生氏親子の共同作品です。ここの建物は好きです、嫌いなのは「21美」、品が無いし軽い。金沢には「海みらい図書館」というユニークな建物もあります、興味ありますがまだ行ってません。近いうちに行ってみます。

イギリス仕入れまで後一ヶ月、まあ淡々と仕事して来ます、物は既にお店に溢れています、行かなくてもいいけど矢張り行かないとダメですね、面白い物を少なく仕入れる、と言いながら見ると買ってしまう、という病気。イギリスで既に取り置きしてる物だけでも結構な量、それを引き取りに行く感じ、でも色々見ると欲しくなる、買って来て売れるのか、それは知らない。

でも、近いうちにもし近隣国で戦争でも起きたらまたイギリス行けない日がやって来るかも知れません、僕の中にはそういう恐怖心が今あります。だから今の買えるときに仕入れて置くのもいいかと思うのです。この間のコロナ期間のようなことがまた起きる可能性はあると思います。それと面白い物はイギリスでもどんどん高くなり減ってもいます、だからお酒のように「寝かせて」置くんです。