フランス18世紀後半の半磁器のお皿(24,5 x 19,5 cm)、恐らくポール・ハノンという工房。普段はこういう感じのフランスのお皿は買わないのですが雰囲気に惹かれ仕入れました。イギリス物にはない雰囲気ですね、ここまで華やかな物はイギリスのアンティークには少ない。
十年以上ぶりに図書館に行きました。図書カードを再発行して貰う手続きをしたら十年以上使用歴がなかったので、十年は最低でも来てなかったということ。僕は借りた本を読むのが苦手なのと図書館の整然とした雰囲気も苦手。でも、どうしても読みたい本があり、しかもその本が新刊でも古本でもほぼ入手不可能だったので近くの玉川図書館に行った次第。ノーマン・ワデルという大谷大学にいたアメリカ人研究者が書いた「売茶翁の生涯」という本。売茶翁は伴蒿蹊の「近世畸人伝」で知ってはいましたが、富岡鉄斎の展覧会の図録で鉄斎が描いた売茶翁の絵を見てこの17世紀生まれの畸人に興味が出た次第。
売茶翁は17世紀後半に九州に生まれ、幼い頃から黄檗派の禅僧として修行を積み、僧であったのが五十くらいのときにお布施を施されて生活する僧の在りように疑問を持ち、僧籍を捨て、移動式の煎茶屋を一人で営んだ畸人。当時、禅僧が移動式のお茶屋をやるなんて、禅僧が駕籠かきか身分の低い行商人になるようなもの、彼は八十までそれを続け、そのとき一切の彼が使っていた茶道具を焼き捨て廃業します。その後八十九歳で、偶然にも鉄斎も同じ歳で亡くなりますが、遷化します。この僕が借りた本の表紙の売茶翁の肖像画は彼と交流のあった伊藤若冲の手になるものです。
僕は昔から千利休がどうも好きになれないのです、売茶翁より更に古い人ですが、権力を巧みに利用して生きた人間にも思えて、それにそこまで神様のように崇めなくても、と思います。お茶の世界は権力者の庇護がなければあそこまで絶対的なものにはなっていないでしょう。金沢はお茶をやっている人は多いですし、知り合いにもお茶を嗜む人はいますが僕は敢えて近づかないようにしています。煎茶は興味ありますが、、。
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