二十七年目

今日、6月16日は「フェルメール」がオープンした日です、今から二十六年前、1998年の今日オープンしました。その前年の秋に初めて買い付けにヨーロッパを一ヶ月巡っているのでそれから二十七年経っています。色んな思い出があると言えばそうですが過ぎ去ると一瞬のようで、懐かしいこととして振り返る余裕は未だないようにも思えます。ロンドンとの付き合いも長いです、初めの頃は本当に無我夢中、何も分からないままやる気と若さで進んでました、まだ三十代でしたしイギリスのことアンティークもやりながら少しずつ学んで行きました。色んな人に助けられここまで来れました。イギリス社会は階級がありますしとてもガードが堅い、中々中に入れてくれませんし、どうやったら入れるのか良く分からない、そういった点から見れば冷たい世界です。中々こじ開ける穴が見つからない。手応えが感じられるようになったのはここ十年くらいですね、見える風景が変わって来ました、それからは「イギリス」という国、人に一層興味を覚えました。恐らく今でも自分をイギリス人に同化させたいという気持ちはあります、でも憧れではない、そんな甘い感覚では仕事は出来ない、18世紀イギリスに対する憧れは凄くあります、例えれば、イギリスから日本にやって来た人が江戸時代中後期の日本に憧れて骨董を買い集めてるような感じに近い。

ただ、海外で一人で仕事をしていくには運も大切です。それと、人との会話の中で得たちょっとした情報を大切にすること、それがほんの些細なことでも大きな意味を持ってくることがある。

See you. 

木曜から店開けます。