変化激しいアンティークの世界

昨日コッツウォルズの田舎のアンティークマーケットに仕入れに行った。前はとても良い市だったが最近は荒れていて買う物も余りない、わざわざロンドンから電車代とタクシー代使ってまで来る価値あるのかしらと思うほどだ。コロナ後のイギリスではこういうことが増えて来た、今まで良かった仕入れ場所が急にガクッと悪くなる、徐々にではなく落ちるように急にだ。辞める、アンティークから足を洗うディーラーも多い。今回もイギリスの友人ディーラーが引退した、六十代後半で彼女の三十六年のキャリアに終止符を打った。今日街で一緒に会って食事をしたのだが、アンティークには全く未練がない、自分の今の人生は他のことで充実している、と言っていた。かと思うと八十代でまだまだ現役のディーラーもいる。今日シルバーを仕入れた女性も八十二歳だと言っていた、長年商っていた場所をそこが建て替えるので追い出されるらしいが、また新しい場所で続けるらしく、私は絶対辞めない、と静かに話していた。八十越えて新しい場所で商い続けるエネルギーには頭が下がる。彼女からはとても素敵なシルバーのティーポットを買った。

最近特にロンドンなどで多いのは改装してもっとお金になるように長年商っていたアンティークディーラー達を追い出すケース、改装してもっと家賃を上げ変な高級化を図るというパターン。例えば長年地味に陶器やシルバーを商ってたディーラーを追い出し改装後家賃を上げ高級ジュエリー専門アーケードにしたり、とか。賃貸契約が月毎だったりするといきなりハガキが届いて追い出される、ロンドンは容赦無い街だ。お金になれば何でもする。

そんなで僕の仕入れも色んな変化を含みつつ絶えずアップデートしながら進んでる訳だ。止まったら終わり。新しい要素を取り込みながら進むしかない。