「石川さん」の靴下

昨日金沢駅のショッピング街に行ったら「石川さん」の靴下が売っていたので買ってしまった。「石川さん」は石川テレビのキャラクターで、石川テレビは中日新聞系列であり、中日新聞は石川県では反主流である。石川県では大半の人はH新聞を購読しており、このH社がここでは凡ゆる方面に置いて大きな影響力を持っている。金沢で喫茶店や床屋に行って中日新聞が置かれているのか、H新聞なのか、それとも両方なのかで、その店の印象は変わってくる。中日新聞は話題を呼んだドキュメンタリー映画「裸のムラ」を製作している。金沢でも何となくの習慣的惰性でこのH新聞を取っている人は多い、皆んなが取ってるから何となく私も、くらいの消極的選択だ。

そんなことはどうでもよく、僕はこの「石川さん」のファンなのだ、髪型が「石」の字のキャラクター、可愛いと思う、シンプルで優れたキャラクターだ。僕はときにこのような可愛いグッズにとても惹かれる、心が幼いのだろうか、きっとそうなのだろう。今日はこの靴下のグリーンを履いてるが誰も来ないので見せる人もいない。また駅に行ったら別の色を買い足しそうである。下らないと思いつつも矢張り可愛い。

最近、近所のおじさんと話すようになった、愛車のBMWを何時も丁寧に手入れしている八十代の方だ。そのおじさんがこの僕の店のある裏通りに越してきた頃、八十年近く前の話しになった。僕の店の数軒先には終戦直後、馬に乗った軍人さんが住んでいたらしく、今鉄筋の住宅になっている所に当時あった建物は一階が馬小屋で馬がいたそうだ。今の姿からは全く想像出来ない。今でも近くに染物屋の木の看板のあがった家があるし、この辺りには昔多くの職人さんが住んでいたらしい。僕の家もその昔は小さな呉服屋だったそうだ、呉服屋の後にアンティーク屋、イメージとしては悪くないと思う。

この界隈のいいところはお年寄りが割とオープンで街のお年寄りという感じ、色んな人と気さくに話しをする。他所から来た人に対しても比較的開けている。金沢の庶民の街だ。美味しいケーキ屋、センス良い花屋、ちょっとマニアックな古本屋、お惣菜を売る肉屋と揃っているし、美術館や日本庭園も近くにある。と、言いながら兼六園に最後に行ったのは十年以上前。21世紀美術館にも行かない。犀川が側にあるのもいい、犀川は四季折々に美しい景色を見せてくれる。

今日は吉村昭さんの「東京の戦争」(ちくま文庫)を古本屋で買って読んでいる、面白い。