向付けのようなカットグラス

向付けのようなカットグラス(上部直径 10,2 cm、高さ 5,5 cm)、イギリス製、1820年頃。ハイクオリティの変わったグラスです。見たことがない、珍しい物。シルバースプーンでお菓子を食べた物、その可能性は高いと思います。それとも、塩入れ用のグラス。それも考えられる。兎に角レアな物です。

連休中です、当店は連休中は年々追ってヒマになっています。常連さんは連休には来ませんしブルジョア奥様たちも連休は動きません、変わり者の常連さんも人が動くときは動きません。よってヒマなのです、それと金沢が異常に人気でホテルが取れ難くなっているし値段も上がっている、だから思い立って来ようと思っても前よりも来難い状況。レストランや料理屋もミシュランの星が二つ、三つとなると先ず予約は取れませんので気軽には行けない。

僕自身はふらっと気分で動くのが好きなので前もって予約して動くのは余り得意ではない、例えば三ヶ月後にフレンチを予約していたとしてもその頃はフレンチ気分ではないかも知れないし、でも有名処となるとそうはいかない。何でもそうだけど「気分」ってあるじゃないですか、今日は気分がのらない、って言うやつ。クラシックのコンサートでも、ベートーヴェンの後期ピアノソナタとかメシアンの弦楽四重奏とかは何時でも聴けるという類いの音楽ではない、そのときの気分次第で聴いても耳に入らなかったりする。映画もそう、本もそう、気分に大きく左右される。

僕もイギリスでアンティークの仕入れをしてても連日アンティークに浸っていると流石に幾ら好きでも、今日はいいかな、という日がたまにある。そんなときは余程大事な買い付けの日でもなければ休んでロンドンの街中のカフェに行ってのんびり人間観察などして過ごす。そうやってオフの日を作らないと長い仕入れは続かなくなる、たまにアンティークから離れることで冷静さを維持する。毎日仕入れてると買わなくていい物買ったり、そのときはいいと思ったのに日本に持って帰ると、何でこんなもん買ったんだろう、ということもたまにある。だから、頭を冷やす日が必要になる。何年経ってもミスはするものだ、残念ながら。

読書も僕のは最近は深く狭く、という感じ、新しい領域には手を付けず、今だったら明治期の文学、俳句、書、18、19世紀のイギリス関連、昭和のマイナーな作家、写真、旅行記、などを中心に読んでいる。洋書(英語)も自分に馴染まない文体のものはもう無理しない、合うものだけ読んでいる。日本語でも作家の文体が合わない、自分に馴染まないものは読まない。強いて言えば文章のリズム、流れ、呼吸みたいなものかな、それが好きになれば難しくても頑張るし、簡単な文章でも合わないのは読んでいても何故か疲れる。

最近、カメラ屋でオリンパスの35RCというフィルムカメラを見てちょっと気になっている、1970年製のカメラ。これにモノクロフィルム入れて撮ったら楽しいかな、と。去年買ったパナソニックのLX100も気に入っている。写真は奥が深い、ただシャッター押して切り取るだけなのにね、不思議。

See you.