薄っすらと春の雪が降りました、冬の終わりを告げる雪でしょうか。といっても最近の季節の変わりかたは昔と違って「徐々に」ではありませんから。
先月で、せせらぎ通りにあった「オヨヨ書林」さんが閉店しました。経営されていた女性の方とは知り合いだったので最後の日に顔を出して本を買いました。「日用品の文化史」(岩波新書、柏木博 著、1999年発行)、中々面白い本です、簡単な言葉で書かれていますが示唆するところは深いです。新書は自分なんかが読んで、良い本だな、と思うのは大体売れてなくて初版第1刷で終わってるのが多いですね。本当に面白い本ってそんなに売れない、それよりも素人受けする編集や書き方の本は爆発的に売れる傾向がある気がします。勿論例外はありますが。本当に面白い本は、読む側のリテラシーの高さをある程度要求してくる。だから、一般の人にはアピールしないんです。この本は一生懸命探した訳でもなく、本棚の前の本の山の一番上に誰かが無造作にポンと置いてあった。それで何となく手に取って読んでみたら面白かった。そういう偶然性が作用して買った一冊。
金沢の街中もちょこちょこ店が消えています、骨董屋、古本屋、魚屋さん、などの長年愛されて来た普通の店が消えています。残念ですが時代の流れには逆らえません。金沢の街も高級店とチェーン店やお洒落な店が勢いを増して、フツーの庶民相手の店は減ってはいても決して増えてはないようです。スターバックスなんか駅周辺だけで三店舗もあります。僕はスタバよりミスド派ですから香林坊のミスドに行ってそんなに美味しくないドーナツ食べながらコーヒーおかわり。真面目な女の子のバイトさんが何度も丁寧に「おかわり如何ですか」と来てくれる度に感心しながらカップを差し出してるのです。香林坊のミスドにはお洒落な人は来ません、そこがあの場所の良いところ、魅力です。未だ何処かしら昭和感があって時間が止まってる。香林坊に昔からあるパン屋「パン ブラザーズ アベ」(通称パンブラ)も大好きです。お洒落感よりレトロ感しかないお店、店員さん達も皆何処か素朴な感じで大好き、年中ある栗のパイに何故あんなに栗が沢山入ってるのか謎。兎に角持つと重い。ここも未だ昭和。意外とパンブラファンは街に多い!
金沢に観光に来てそういうフツーの店を回るのもいいんじゃないでしょうか。お洒落な店なんて日本中何処にでもあるじゃないですか、わざわざここで行かなくても。
(写真は今日の店の外)
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