ウランガラスのランプシェード

ウランガラスのランプシェード(高さ 24 cm、金具含む)、1880年頃、イギリス製。エッチングで天使の模様が施されています。珍しい物だと思います。状態は完璧、美品です。ランプシェードは今年から少しだけ扱い始めました。主に常連さんに頼まれて仕入れてる感じです。ランプシェードはイギリスでも中国製の偽物が出回っていて、日本でも「イギリスのアンティーク」としてネットで偽物が売られていたりします。皆さん、ネットでアンティーク買われるときはご用心下さい。家具も微妙な物が多いようです。そもそも「アンティーク」とは百年以上経った物でないとアンティークとは言ってはいけない訳です。世の中には「ヴィンテージ」という便利な言葉もありますが、「アンティーク」の定義ははっきりしています。

そう言えば先日イギリスでラジオ聴いていたらヴィンテージ時計を売る為の宣伝文句で ‘pre-loved’ という言葉を使っていました、「誰かに大切にされていた」くらいの意味でしょうが、まあ言い方次第で物の印象というものは大きく変わりますね。単に ‘used’ と言うより ‘pre-loved’ と言われると違ったイメージが添えられます。

まあでもアンティークで二百年とか経った物でも本当に ‘pre-loved’ (昔大切にされていた)と思える物はありますが、そんな状態の物はアンティーク全体から見てもほんの一部です。中でもグラスや磁器は大切に扱われて来なかった物は嫌なものです。稀に三百年前の物でも昨日作られたかのように綺麗な状態の物もあります。そう言う出所の良い物は仕入れるときも大体高いですが仕方ないですね。物にとってもそのような状態で数百年も生き延びられるのはとても幸運なこと。

イギリスのアンティークディーラーでも高級で状態の良い物ばかりを揃えてる人がたまにいます。そういう人はちゃんとした人や場所とコネクションを持ってるんです、でないと良い物は揃わない。後あちらは階級社会ですからそういうのも関係してくる。

‘pre-loved’ じゃないけれど思わせ振りな形容の言葉は僕は余り使わないようにしています。ありのままを伝えるのがいいと思うから、骨董屋でも、お客さんが手に取る物全てに、素敵でしょ〜、と横から言って来る店主がたまにいますよね、それとか、今買わないと売れますよ、とか。胡散臭いですよね。そんな店僕は絶対買いません。