イギリス滞在中色んな所で仕入れる、アンティークがあれば何処でも行くので、色んなディーラーに会う。安い物を売っているディーラーでもとてもきちんとしてて真面目な人もいれば、高級な物を売ってても余り信用出来ないディーラーもたまにいる。先日友人と割と高級なアンティーク・フェアーに行って、ある店で香水瓶を見せて貰っていた。七十位の男が経営者で二十歳にもいかないくらいの黒人の男の子に手伝わせていた。先ず、その辺りからちょっと変な感じがしたが、ショーケースに置いてあるものは素晴らしいの一言。僕たちは数千ポンドの香水瓶を見せて貰ったが、ゆっくり手に取ると金の装飾の一部分が留めが外れて緩くなっていた。僕がその店主の男にそれを指摘すると、余りそれを認めようとせず、最後には、接着剤で留めりゃいいだろ、と軽く吐き捨てるように言い、僕らは彼のいい加減な態度に白け、丁寧にお礼を言いそこを離れた。20ポンドのものならばそれでもいいだろう、だが桁が二つ違う。それを接着剤で留めりゃいい、とは何とも酷いディーラーである。持ってるものは素晴らしかったが、態度は最低。彼の考えていたことは明白で、自分の非を認めると値引きを迫られるのではないかということだけ。こういう奴からは例え１ポンドでも買いたくない。
逆に10ポンドの物でも丁寧に説明と状態を値札に書き込んで売っているディーラーもたまにいる。プロのディーラーは高い物を扱ってるからそれだけ偉いかというと、余り関係ない、というのが僕の答えだ。勿論クオリティーの高い物をちゃんとその価値が分かって持っている、というのは凄いことではある、のだが。
まあ、色んなディーラーがいる、だからこの世界の面白さは尽きないのだ。
(写真は田舎に行く電車から見た朝の風景、寒くて全て真っ白)
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