エロティックな絵の嗅ぎタバコ入れ

フランス製の嗅ぎタバコ入れ(snuff box, 8,7 x 3,1cm)、真鍮製で表面全体に彫り模様が施されています。蓋にはエロティックな光景の男女が描かれていて、如何にもフランスものという感じ。時代は19世紀前半から中頃にかけて。蓋はしっかり閉まりますが経年変化で若干歪んでます。決して売れ易い物ではありませんが、何時か誰かが買っていってくれるでしょう。まあ、珍しい物ではあります。

今聴いてるジャズCDカッコいいです、Cannonball Adderley with Bill Evans, Know what I mean、というアルバム、1961年の録音。特にビル・エヴァンスのファンではありませんがキャノンボール・アダレイーのように個性強いサックス奏者のサイドメンの一人として演奏してるときのビル・エヴァンスは好きです。それでもしっかりエヴァンス節ですね。ベースも、Percy Heath で渋いですよ。キャノンボール・アダレイーは何故かずっと避けて最近まで聴いていませんでしたが中々良いサックス奏者ですね。

何故か最近クラシックよりジャズを聴くことが多いです、本も無駄に難しいものは読まなくなりました。なんかね、難しい言葉を捏ねくり回して書いてる難解な文章は、若いときは、きっと其処には何かがある!、と思って読んでましたが、案外に、其処には何も無い、んじゃないかと思うものも多いですし、僕は本当に素晴らしい文章というものは平明な言葉で簡潔に書かれるべきだ、という考えに行き着いて来ています。音楽も絵画もそんなに難解を気取る必要はないと思っています。料理なんかも真面目な顔で神妙に食べてるなんてちょっとしたパロディにも思えますね。

それと、思うのは、本当に深さを備えた難解なものほど一見とてもシンプルな何でもないものに見えてしまう、ということ。難解なものに対しては殆どの人がコンプレックス持ってますから、それを逆手にとって、必要以上に難しく複雑なものに見せ掛けたり。まあ、ハッタリと言えばそういうことになる。お店でも一見さんお断り、とか、紹介制とか会員制、などのようにハードル上がって来ると皆んな返ってどうしても行きたくなる。

ピカソのディフォルメされた絵画に何か深淵なものが潜んでいるのでしょうか、晩年のセザンヌが繰り返し描いた山の絵に凡人には見えないものが表現されているのでしょうか?其処には何かが確かにあるのかもしれませんが、そんなに気張らず普通に眺めていれば良いのかなと今は思えます、まあその「普通」が難しいのかもしれませんが。

今の僕が深さを感じ心惹かれているのは、俳句、日本の古典文学、石、南画、煎茶、篆刻、書などですかね、、。