熊の紋章入りデザートスプーン(セット)

ロンドン、1803年製、熊の紋章入りデザートスプーン(六本セット、長さ 17 cm)。熊が王冠の上に載っています、紋章としては珍しいと思います。状態は良いです、余り使われていないと思います。綺麗なシルバースプーンです。全体の厚みも厚からず薄からずで丁度良いです。

先日古本屋で「俳句入門三十三講」(飯田龍太 著、講談社学術文庫)を買いました。皆さんご存知のように飯田蛇笏の息子ですね。この本が素晴らしい。まだ全部読んだわけじゃないですが、本当に良いんです。他の分野の芸術や物作りについて考えるのにとても示唆に富んでいるのです。その中に「誰に尊敬の念を抱くか」という章があるのですが、芸術家なんかでもある年齢まではとても素晴らしかったのに老年になると急に駄目になる人がいる、龍太が言うには「過去の才能に対する一種の郷愁というものに頼りすぎたのではないか」と、「自分の心に宿る『最も尊敬すべき人』というものを持っていたか」が大切だと述べています。「過去の才能に対する郷愁」で同じようなものを作り続け未だ儲けている、昔売れていた大作家は皆さんも沢山知っていると思いますが、龍太は、尊敬する人の姿がその人の中から失われていったときにその人の詩も衰弱する、と述べています。至言だと思います。