仕入れはときには面白い。

昨日は大きなフェアーが北であったのでロンドンのKing’s Crossから始発電車に乗るために宿を早く出た。僕が今いるのはロンドン南部の余りガラの良くないところ、そこにある週貸しの宿を拠点にしている。綺麗な英語を喋る人などこの地区には皆無。僕はここでは全く出掛けないようにしている、何時も電車に少し乗ってBalhamに移動し、ここで買い物したり食べたりNeroに入り浸ったりしている。Balhamの街が肌に合っているのだ。

先ず朝三時前に起きて準備、四時に宿を出てバス停まで歩く。本当は近くのタクシー屋を予約していたのだが最近値段をぼったくってるのが分かり、予約をキャンセルし、バスと始発の地下鉄を乗り継いで五時五十分の電車に乗るべく、移動した。四時台のバスはまだナイトバスの時刻表で走っている。酔っ払いや変なのに絡まれないように多少気を付けながら(どうやって気を付ける?、こんなのは運が半分。最近はロンドン移動のときは何時もサングラスしている。英語も訛ってないので、ちょっと訳あり香港人に見えるかも?)バス停に行く途中、暗い中ゴミ漁りをする野生のキツネと目が合った、痩せて小柄でちょっと卑屈な表情だった。目が合うと斜めに歩いて僕から少し引くように逃げた。生きるのは大変だ、皆んな食わないと生きていけない。四時十六分、バスが来る。多少の酔っ払いと、黒人の肉体労働者などが乗っている、意外と人が多い。少し安心する。五時丁度にロンドンど真ん中のOxford Circusに着く。地下鉄のゲートは二十五分まで開かない。寒い中マイクロソフトの店の前で立って待つ、長袖ボーダーの上に薄いセーターとウインドブレーカーを着ていても少し寒い。他にも解錠を待ってる人がチラホラいる。恐る恐るゲートを開けて中に入ろうとする女の子もいる。ゲートが開き地下に行く、地下の暖かいこと。三十八分始発地下鉄来る。四十二分下車で無事King’s Crossに着く。案外楽しい移動だった。夕方仕事を終え帰って来たときは疲労困憊。アイルランド出身の友人が今日くれたダブリンハーバーにある会員制ヨットクラブ内にあるバーで使われているギネスグラスにビール注いで一気に飲みその後は泥のように眠る。

こういうちょっとラフな仕入れは楽しい。まあ全て無事に行けばだが、、。