イギリス到着

ロンドンに着きました。機内では殆ど寝ずに映画を四本観ました。一番良かったのはイギリス映画の ‘EMILY’ 、「嵐が丘」のエミリー・ブロンテの生涯を描いた映画。19世紀初頭から前半にかけてのイギリスが舞台です。仕事柄映画に出て来る室内の調度品やカップ、グラスから目が離せませんでした。19世紀初頭は僕が心惹かれる時代ですし、自分もこの時代のイギリスに生きていた気持ちが、映画や小説でこの時代のイギリスに接するとき、必ず湧き起こります。江戸時代の本を読んでも自分は日本人なのにそういう過去の記憶めいた感情は湧かないので不思議です。一番詰まらなかったのは、スピルバーグの「ペンタゴン・ペーパーズ」、まあ典型的ハリウッド映画ですね。イギリス映画の ‘LIVING’(生きる)というのも結構良かったです。黒澤明の「生きる」が下地になっています。この映画を観ると、イギリス人と日本人(の中流階級の)価値観、倫理観って似ているな、と改めて思います。この映画はフランス人よりもイギリス人向きな気がします。主役の俳優さんがとても良いですね。

こちらは今夜中、食べる物がないけれど日本みたいに二十四時間コンビニは殆どロンドンにはないので朝まで待つしかないですね、前にも書きましたが日本はコンビニの営業時間をもっと短縮すべきだと思います。営業時間のオンとオフを付けたほうがもっと人間らしい生活に戻れると思います思いますし、何時もオンというのは色んな意味で異常だと思います。もの考えない人間を量産してる国日本、自分の頭で判断せずに右に倣えの国ニホン。コンビニで売られている食べ物の食品添加物も酷いですね。夜中のコンビニに行くとコンビニに配達に来たローソンならローソン系列の中年の男性が夜食にカップ麺やパンを買い込んでいるのを見るとコンビニというシステムの残酷さを感じます。後ろから肩を叩いて、気を付けて下さいね癌になりますよ、と言ってあげたいくらいです。一昔前に「コンビニ人間」という小説が流行ったようですが、あれも時代迎合小説でしょ、、。くだらないです。フランスには刑務所に服役している囚人たちが話し合って選ぶ文学賞があることをN.Y. Times で知りました。日本との何たる差。

日本は既得権益を所有しているほんの一部の人々に有利な社会システムから抜け出せず、国際的にはどんどん沈んでいます。詰まり、本当に「新しいもの」を全く産み出せない状況がずっと続いている。患者が重病なのに本当に必要な処置はせずに殺さない為の一時的延命処置ばかり、というのが今の日本。室町、安土桃山、江戸初期の日本人(という言葉は未だなかっただろうが)の精神は何処に消えたのでしょうか。日本の古典芸能のルーツはこの時代に作られていますし世界的に見てもとてもレベルの高いものを産み出した時代です。俳句もこの時代です。

ではまた、近いうちに、このページで。