Nothing to write about(別に書くことは無いけれど).

もう少しでイギリスに行く。何時ものことだが、渡英少し前になると、何となく不安な気分になる、行きたいような行きたくないような、もう少しこうやって普通の生活をダラダラと送り先延ばしにしたい気になる。イギリスは慣れているとはいえ矢張り何時になっても不安は消えないものだし、それでも空港に降り立ってイギリスの空気を吸えば自然スイッチが入るのだ。何時も考えるのはどの本を持って行こうか、ということ。今日古本屋でディケンズの「アメリカ紀行」(岩波文庫)というのを買った。存在すら知らなかった本だが面白そうだ。ただ、向こうでは毎日クタクタで意外と読む時間が無いというか、疲れてそんな気力も無い日も多い。でも、何かお供に持って行きたい、のだ。

アンティークを探すのは楽しいし向こうの友人に会うのも楽しい。英語で話す楽しさもあり、日本語とはまた違ったリズムで話すのも刺激になる。何時も行くコーヒーチェーン店で人間ウオッチングするのも楽しいし、そこから見える風景もまた良いものだ。こんなことが後何年続けられるのかは知らないが、身体が続く限りは続けたいと思う。色んな意味で難しい世の中になって来たが負けたくはないし、矢張り身体を使って仕入れたいし売るのも対面が好きだ。人と会って話すのが好きなのだ。イギリスでも色んな人に会って話す、時にはその人の人生が垣間見えたりして、楽しいときもある。

僕は矢張りこうやって身体使って売買する、という昔から営々と続いて来た方法に拘りたいと思っている。無駄も多いが無駄がきっと好きなのだ。もっとスマートにやるのも可能なのだろう、きっと。でもそこには余り興味はない。僕は「考える商人」でありたいと思う、イギリス18世紀の、奴隷制に反対した貿易商のような矛盾した存在に憧れるのだ。