17世紀〜19世紀イギリスの紙物色々、手紙、領収書、エッチング、水彩画など、実は沢山持っていますが、ふと思い付き本屋の文具コーナーでアクリルケースを買い、それに入れてみたのです。こうすると額に入れなくてもそれなりに飾れるじゃないですか、額に入れればお金も時間も掛かります。昔の人の字、18世紀末のエッチング。とても魅力的です。人の字の魅力に洋の東西は関係無いですし、字の魅力を分かるには何の理屈も要りません、理屈は字を観るには邪魔にしかなりませんから。書(字)ほど身近で故に難しいものはこの世に少ないと思います。誰にでも書けるけれど誰にも書けないのが「字」ですね。もう一つ字の魅力について言えることはかしこまって書かれたものより、プライヴェートなものやササッと書き殴ったもののほうがより自然で魅力的である、ということ。藤原佐理(すけまさ)の書で今に伝わっているものは確か全てが(失敗をしての)詫び状のようなものだったと思います。佐理の字は天才的狂気の字ですね、僕の最も好きな書家の一人です。今の時代字を書くことは少なくなる一方ですが、字を書くことには代え難い生理的欲求に近いものがありますし、意外と手帳やメモ帳を使う人が減っていないのを見ると、人間は「書く」という生理的行為をそう簡単には捨てられないのかもしれませんね。それは希望でもあります。
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