少し前に鎌田茂雄さんの「般若心経講話」(講談社学術文庫)を読了した。その中に『生死一如』という仏教の言葉が出て来て、大変心に残った。人間の我には「生の我」と「死の我」とがあり、我等は死んでも滅することなく、生だけが我等でなく死も我等であり、故に、生死に頓着して苦しむ必要はない、と書いてある。良く分かるような分からないような話しだがとても深い。丁度この本を読んでいたとき、朝起きると、自分が無限の宇宙空間の星と星の間を彷徨っているような感覚にやんわりと襲われた。僕は思った、そのような無限大の空間の中では自分が生きていても死んでいても然程の違いは無いのじゃないかな、と。
最近思う、自分の欲求を満たすこと、自分の思い通りに物事が運ぶこと、そんなことよりも人生大事なことがあるのじゃないかな、と。「利他」という言葉は少し違うかも知れないが、それに近いことを考える。
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