エナメル彩の嗅ぎタバコ入れ

白と深緑のエナメル彩スナフ・ボックス(Snuff box)、18世紀はイギリスで嗅ぎタバコが流行っていたので女性用の物で優雅な物も沢山あります(2,6 x 4,3 x 1,8 cm)。これは1800年頃の物、枠はシルバー製です。嗅ぎタバコ入れのアンティークはどれだけでも高級な物があります、僕も好きで時々仕入れますがこういう使えない物を売るのは難しい。そんな物に何万ものお金を出す好き者はそう多くはいないのです。

昔、某市某所である骨董屋(自分より年上)の男性と食事をしながら話していました、彼は如何に骨董を本当に好きな人が少ないかを語っておりました。彼が嘆息するようにこう言ったのです、いやぁ、私のような好き者(数寄者)はそう多くはいませんな、精々十人そこらでしょうか、と。それを聞いて僕はビックリ、自分で自分のことを「スキシャ」と言うかな、自分のことを趣味人とか粋とか自称しないよな、と思ったのです。スキモノなら言うでしょうがスキシャはね、ちょっと言わないよな、と思う。というか、言えない。

確かに、古い物が心底好きという人は特に今のような世の中では本当に少ない。でも、ある一定の数は少ないながらも必ずいる気がします。世の中のマジョリティとは逆を行くマイナリティの中に古い物の魅力に目覚める人は必ずいると思うのですが、、。

先日UFJ銀行に行き、窓口で(「アンティーク・フェルメール」と書いてある)名刺を出したら若い女性が、雑貨屋さんですか、と訊くので、いえ、アンティーク屋です、と答えると、素敵ですねぇアンティーク、と来た。ちょっとね、幾ら社交辞令的会話とはいえ軽すぎですね、大手銀行の行員ですよ、まあいいですが、雑貨でもアンティークでも。もっと凄いのになると二百年前のグラスやシルバー目の前に、あたし雑貨屋巡りが好きで〜、と言うのもいる。僕は、勿論返事はしません、無視ですね。