卓上型ブックスタンド

木製の卓上型ブックスタンド(長さ・高さ・幅、33(52) x 16 x 12 cm)、側面に真鍮で装飾が施されています。イギリス製、時代は1860〜80年だと思います。写真にあるように本を2冊程立ててみましたが良い感じです。伸びると長さが50センチ以上になります。自分のお気に入りの本だけを少なく置くのもいいでしょう。

店を裏通りに移転しましたが、スマホで自動的にこの店が出て来るのか、若い子がふらっと入って来ます。大半の子はアンティークには全く興味なさそうです。さっきも若い女の子が一人、入って来るなり、何処から仕入れるんですかぁ〜、と訊いて来ます。いきなり何の脈絡もなくこのような質問をするのは、ハイ、ワタシハオヤニナニモオシエテモラッテナイバカデアリマス、と公言してるようなものですが、そんな悪そうな子でもなく本当に単に無自覚に鈍いのです。僕は殆ど相手をしないので大抵は程なく帰って行きますが、矢張り疲れますね、こう言う無神経な質問は。

最近は質問の仕方を知らない若い子が多い気がします。ある人から聞いた話しですが、酒の席で三十代の女性が七十代の女性に突然、性欲の有無について聞いて来たそうです。限りなく無知厚顔で失礼な人ですね。三十代の女性はお店を経営してて僕も行ったことのある店だったので更に驚きです。二度と行きませんがね。

若い子が可成り歳の離れた目上の人にそう親しくもないのに、今度飲みに誘って下さい、など言ってるのを聞くと、こっちが恥ずかしくなります。まあ世の中がある程度フラットになるのは良いのですが、矢張りそれなりの節度、礼儀、恥じらいは大切です。スマホばかりしながら育つと何もかもがスマホの画面のようにフラット、平面的になるのでしょうか、、。怖いことです。GAFAが目指しているのはある意味ではこのような、世界の平面化、人の脳そのものをアウトソーシングすることだと思います。人間から主体性を奪う、のですね。スマホは諸刃の剣ですね、使い方が悪いと自分も切られてしまう。

節度、恥の文化は案外イギリスにもあります。だから、日本人とイギリス人はそう言うところは似ている。ヘレン・ミレン主演の映画「クイーン」を観られて下さい。良い映画でもあります。イギリスのミドルクラス以上の人に見られる、感情を露わにせず抑制する性質、節度を尊ぶ倫理観、ヴィクトリア時代的産物かもしれませんが、そう言ったものは日本人の心にとても響いて来ます。

エリザベス女王の存在はそう言ったイギリスらしさの体現だったとも言えるかもしれません。正に国葬に相応しい存在で誰の異論もないでしょう。