イコンの真鍮製プレート

恐らくロシア製のイコン、真鍮製(12,8 x 11 cm)、時代は19世紀後半だと思う。エナメルの装飾が綺麗だったのと上に並ぶ五つの天使に惹かれて仕入れた。自分はクリスチャンではないがキリスト教に関連したアンティークに惹かれている。好きな物を見つけるとつい買ってしまい、そう売れる訳ではないので店内にはキリスト教の物が少しずつ増えていく。どれも独特の存在感を放つので店の雰囲気を出すという点では大いに活躍してくれている。仕入れるばかりで売れずにただ増えている物の筆頭はフリーメーソンの物と宗教物だろうか。まあその辺は余り考えないことにしている。売れる物だけを仕入れるお店ほど詰まらないものはない、よくこんな変なもの仕入れて置いてますね、という物があるからこそ店は面白いのだ、と思う。反効率の考えだ、反近代、と言い換えてもいいだろう。人生何かに「反」しなくなったら終わりだ。

昨日偶々NHK・FMラジオでストコフスキーの1965年来日公演のベートーヴェン交響曲七番を聴いた。ストコフスキーは82、83歳。素晴らしい演奏だった。八十歳を超えて人を感動させられる存在、圧倒的存在感を放つ人、パワーに満ちた存在、途轍もない求心力を備えた人間、威厳満ちた存在。そんな人に僕は憧れる。唯惰性で長生きするのは自分は興味がない、生き恥だとも思う。