8/29(月)〜9/2(金)の間お休みします。

8/29〜9/2の月曜から金曜までお休みします。申し訳ありません。

やっと朝夕涼しくなり過ごし易い日々です。空の雲の形からも秋の近付きを感じることがあり嬉しいです。僕はどうも夏という季節が余り好きではないみたいで、理由は特に無いのですが、夏は苦手です。昔インドに行き帰国後隔離されたのも夏、父が意識不明になり、病室で父の隣で心電図と睨めっこしていたのも夏、夏の思い出は暗いのが多いような気がします。昔は夏の暑い時期に遠くの美術館や寺院に絵や屏風絵を観に行ったりしてました。インドに一ヶ月行ったのも夏。初めての海外旅行がインドで、写真撮ろうと一眼レフカメラ持って行ったものの、自分が撮った写真と自分がそこで体験したこと、その両者の乖離に苛立ち、帰国直前にカメラのフイルムを全部抜き取り捨ててしまいました。今思うと、取っとけばよかった何で捨てたんだろう、という感じですが、その時は、何というか、写真を撮った自分が許せなかった、それに腹が立ち撮ったものを全部捨てた。その数年後、写真家の吉田ルイ子さんの講演に行ったとき講演後会ってもらい、そのインドに行ったときの苛立ちについて、写真というメディアの限界について質問をぶつけましたが、軽くいなされました。まあ僕が青かったということですね。二十二、三の頃です。座禅を組みに禅寺に通い、そこの坊さんと言い合いしたのもその頃です。

二十代の自分は日本が嫌で、日本を出ることばかり考えていました。アイルランドかポルトガル、日本人が余りいなさそうなヨーロッパの「端っこ」に行こうと。ポルトガル語はちょっとハードル高いなと思い、僕の中でダブリンという街に対する憧れが膨らんだのです。二十六才の夏は朝から夜遅くまで働きお金を稼ぎ、二十七の五月にイギリスからフェリーでダブリンに上陸しました。早朝何度もデッキに出て陸が見えて来るのを見てたような記憶があります。三年半居ましたね、アイルランドに。そこでアンティークに目覚めるというか、イギリスのシルバーやグラスを時々買って、近くのカフェやパブにしけ込んで買ったばかりの物眺めてね、その辺りが僕のアンティーク収集の原点です。その頃は語学を仕事にしようと思っていたので、まさかアンティークの店をやるなんて考えてもなかった。ダブリンのビューリーズという有名なカフェで18世紀のグラスを友達に見せて話し込んでたら、ウェイトレスが使用後の食器だと思いそれを片付けてしまい、びっくりしてキッチンに行きウェイトレスの女性たちに手伝って貰い探すと、何とキッチンのゴミ箱に捨てられてて大騒ぎ。でもグラスは無事で女性たちと大笑いした。そんな思い出があります。懐かしいです、とても。

(写真は東京大田区にある穴守稲荷神社内の水琴窟です。とても不思議な音がします)