1707年製のシルバースプーン

1707年製のシルバースプーン、ロンドンで作られた物(長さ 18,5 cm)。使い過ぎで先端が大きく減っています。手元のところが三つ又になっているのはDog Noseと呼ばれ、1700~15年の特徴、楕円形部分の裏に根元から入ってる線はRat Tailと呼ばれ、1710~30年の特徴です。ぼくが持っているスプーンで最も古い物ですね。1707年はJ・S・バッハも未だ青年ですね。とても、ある意味迫力というか存在感のあるスプーンで、余り売りたくない気分です。

イギリスは今ウクライナから多くの難民を受け入れています。人道的理由に因るものですが、ぼくは、イギリス人には昔からある考えがあるように思えるのです。詰まり、人は資源である、ということ。移民、難民を受け入れる、特に若い人たちはイギリスで育ち英語を話すようになり、やがてイギリス人(British)になる。皆んなではないにせよ一部の人達は秀でた才能を持った人材になり、国にとっても財産になる。どこまで意識的かは分からないがそのような長期的計算がイギリスというしたたかな国にはあるように思えるのです、アメリカがあそこまで繁栄したのも東欧やロシア、ユダヤ系の人々がアメリカに移住したことと無関係ではありません。イギリスの人口は日本の約半分、恐らく出生率もそう高くないでしょう。勿論、移民に対する差別、偏見はありますが、長期的には自分達にもある程度プラスになるというしたたかな計算があるように思えます。学者の北川稔さんの「イギリス近代史講義」を読んでいてそんなことを思った次第です。それと、イギリスは階級社会ですから、上のほうの人達の生活は移民、難民を受け入れても、ある程度守られるように出来ているのです。どちらかというと影響を被るのは庶民ですね。

ぼくは日本が早くいい加減に村社会的構造を脱皮してイギリス人のようなしたたかさを身に付けたら良いな、と思います。今の日本の女性や若者はいい加減この変わろうとしない日本にウンザリしていると思います。権力、権威、くだらないプライドに縋り付いているおっさん達は本当に老害です。