今回仕入れた絵

最初の黒い絵(額の大きさ、28,8 x 23,6 cm)は馬の毛を刺繍して描いた物、後のほうは水彩画(額の大きさ、31,8 x 21,8 cm)。時代は共に1800年初頭頃、額も恐らく同時代の物。二つ共イギリス人の友人でもあるアンティークディーラーから仕入れました。絵の仕入れは難しいです、結局自分と感性が似ている人から仕入れるしかない。自分の「眼」と仕入れる人の「眼」が似ているかどうか、だから言葉で話しても余り意味は無い。アンティークの中でも絵程持っている人の知性が現れて来るジャンルはないような気がします。その人が生きて来て今迄何をどのように見て来たかが如実に現れるのが絵だと思います。生来的なセンスもあるように思います、だから教えてどうにかなるものでもない、分かる人には分かる、そんな部分もあり中々難しい。書の難しさも絵に似たところがある、究極的には見方など無い、勿論自分で描いたり、名品を沢山見れば眼も肥えて来ますが、それだけでは埋まらない何かがある。現代の書家の書を見れば、彼らが如何にミエテナイかがそこに良く現れている。歪な世界ですね。

今年になって東京の「書道博物館」に二回行きました。僕が最も好きな美術館・博物館の一つです。JRの駅を降り裏道を歩いて行く途中、ラブホだらけの全くミスマッチな道中も面白く気に入ってます。前回行ったときに学芸員の方に「清朝碑学派」について教えて頂いたのでこの辺りをもう少し探ってみたいと思っています。

書、西洋絵画、アンティーク、南画、和骨董。実はみんな繋がってて一つなんですよね、深い処では。ただ、書の深遠さは群を抜いているようにも最近感じています。