僕は本屋が好きらしい

昨日も今日も本屋に行った、昨日はBalhamの街にあるチャリティ・ショップの古本屋で本を買った。’Lost London’ というタイトルの本で今はもう失われたロンドンの場所や習慣について語っている本だ。例えば、London Bridge は昔から罪人、反逆者の生首を見せしめの為に晒して見せた場所である、と書かれていて妙に納得した。最近二度ほど London Bridge の駅に足を運んだのだが、何処か暗くて重たい感じで、これを読んだときにそういうことと関係があるのかもな、と思った。イギリスで本屋に行くのが好きだ、先ず本自体の姿が美しい。綺麗な装丁の本が沢山並んだ空間というのはとても落ち着く。そこに一人二人自分のような本好きが居て、自分と同じように本を探している姿を見るのも何処と無く楽しい。先日もWaterstones でElizabeth Wardwick の本を買ったときレジの若い男性がHardwickの旦那だった詩人とその愛人について熱く語りながら僕の買った本を手渡してくれた。こういうことは日本の本屋では稀だ。彼らは余計なことは話さないから。だから面白くない。昔、同じくピカデリーのWaterstones で若い女性店員が書棚の整理をしていたら、棚の上から本が一冊落ちて来て、彼女はクスッと笑いながら、独り言のように、誰かの頭に当たったら面白かったのに、と言いながらまた作業を続けていた。

日本人は妙に真面目だから、詰まらない。先日もヴィクトリアの駅でQRコードのチケットを改札の若い黒人駅員さんに見せたら、QRコードを読み取る機械がその改札になく、代わりに彼が iPadのQRコードに指をかざし、ピーッツと声に出しながら、ふざけ半分通過させてくれた。僕たちも笑っていた。

日本人ももっと笑いを仕事の中に取り入れられたらな、と思う。

(写真はNorburyの街で。側でフードバンクの配給が行われていた)