無残な Oxford Street の姿

先日靴を買いにオックスフォード・ストリートに行きました。ロンドンを代表するショッピングストリートの一つ、ありとあらゆるブランドショップが並んでいるところ。この二年半の間にEU離脱とコロナと大きな打撃がイギリスを襲いました。僕が最後にここを歩いたのは2019年秋です。今のオックスフォード・ストリートは閉店したデパートや店舗の残骸が多くあり、時々アラブ系のとても下品なアメリカンキャンディーショップみたいな名前の蛍光色の巨大なキャンディー並ぶ店が路面にあります。とても醜く酷い光景です。時々犬を連れたホームレスの男性が路上で物乞いをしています。もう以前の面影とは程遠い姿に悲しいばかりです。EU離脱して、多くのイギリス人は騙されたと感じているのではないでしょうか。ヨーロッパ大陸から切り離され、多くのヨーロッパの若者がロンドンを離れ、代わりにチャイナとアラブの人とお金が入って来て、この街をズタズタにしていく。他国文化に対する無理解、ただお金があればそれで良い、という下品な考え。

アンティークフェアーでも中国人は多いですが、彼らの買うものは決まってるので、彼らが五十人来た後に僕がある店に行っても僕の好きな物は大体売れずに残っています。悪いけど、分からないんですよ彼らには。好きでやってるんではなく、彼らに興味があるのはお金だけですから。売れれば何でもいいんです。ただ、お金は持ってるしコミュニケーション能力と押しの強さは凄いですからね。強烈に押せば「イギリスの扉」は開くと思っている。イギリスってそんなに単純なものではない。

唯一の救いは僕の好きな Caffe Nero が今まで通りちゃんとあって前と同じように寛げること。Nero でアーモンドクロワッサンとコーヒーを楽しみながらのんびりひと時を過ごす、コロナでどうなることかと心配していたので、こちらは取り敢えずホッとした次第。二年半前に貯めておいたフリードリンクのポイントカードもちゃんと使えたし。

観光でイギリスに行かれる方はロンドンの変化には覚悟して行かれて下さい。治安も街の雰囲気も本当にすっかり変わりました。僕の知っていたロンドンはもう無い、It’s gone. ですよ。(写真は早朝の Clapham Junction 駅)