5/17(火)〜5/19(木)休みます。

九州帰省のため5/17(火)〜5/19(木)休みます。20日は2時半頃オープンします。申し訳ありません。急用の方は、070-51490049 にお電話下さい。万が一出られない場合は掛け直します。

色んな人に会っていると思う。人の顔は半世紀も生きていると嘘をつけないな、と。四十を過ぎた辺りから人は生き様が顔に滲んでくる。ブランド洋服や高級腕時計を身に纏っても矢張り顔は騙せない。今までして来たこと考えて来たことの集積が顔に現れてくる。それを誤魔化そうとしているのかやたら笑顔を作る奴も偶にいる。議員の選挙ポスターの顔みたいに人相の悪さを隠すためにニッコリ笑っている、あの手の顔だ。昔知っていたバーテンダーにいつも笑顔の奴がいた、兎に角何時も歯を見せて笑っていて誰彼構わず愛想を振りまいていた。そいつがたまにふと真顔になる時があって、一瞬なのだが、とても人相の悪い顔になるのだ。ただ彼は何時も笑っているので、その怖い顔を見せることは殆どない。笑顔効果なのか彼のバーはとても流行っていた。お世辞を言うのも上手だったように思う。みんな笑顔とお世辞には弱いのだ。

そのような偏見もあって、僕は笑顔が余り好きではない。僕自身も結構何時も白け顔でお世辞も殆ど言わないので、店も繁盛はしていないし、する予定も今のところない。

最近思うのは本当にいい顔をした人が世の中少なくなったな、ということ。いい顔、人を魅了する顔は見ているだけでこちらもいい気分になる。矢張り伝播するものがあるのだろう。昔の本を繙いて、そこに載っていたりする作家の顔を見るのが好きだ。俳人の永田耕衣さんの晩年の顔なども素晴らしい。僕が日本の新聞を止めた理由の一つは、紙面に載ってる財界人、有名人の顔が貧相で、そんな顔を目に入れたくない、ということ。The New York Timesも大して読んではいないが、その紙面に載っている顔にはハッとするくらい綺麗なものが必ず一つ二つはある。その綺麗な顔を見るために毎月高い購読料を払ってる感じだ。とびきりいい顔やいい写真があると切り抜いて壁にピンで留めたりする。

まあそのくらい僕はいい顔に飢えているのだろう。

(写真は四年前のロンドン、ノッティングヒル周辺)