1830~40年、イギリス製タンブラー(左 9,7 x 8,4 cm、右 8,8 x 8,2 cm)。カットのデザインはこの時代に時々見られるもの。ヴィクトリア時代初期のタンブラーは最近本当に少なくなりましたので、見掛ければ仕入れるようにしています。二十年位前はイギリスでも未だ沢山あったのですがね。リーマンショックの頃を境にイギリスのアンティーク業界は可成り変わりましたし、コロナ禍を境目にまた一段と縮んでいくような気がしています。アンティーク・ディーラーの高齢化も大きな要因ですね、イギリスでも日本でも長年されているプロの方は七十代位が多くて、ある程度層と呼べる程数がいるのは六十代迄で、それより下は本当にいないのです。僕は今59歳ですからこれでも「若手」になってしまう。百戦錬磨のディーラーが集まると僕なんかは永遠の「子供」ですね、でもこの業界に入って今年で二十五年目。割と長いですね。イギリスでも日本でも本当に自分の好きな物を中心にしてやり続けているプロの人は少ないように思います。そんな人がやってる店が一番面白いのですが、矢張りそれでは食えませんからね中々。骨董屋が人工知能に取って代わられることはないと思いますが、その前に絶滅してしまう職業かも知れません。正直、日本のアンティーク・ディーラーや骨董屋は殆ど交流ないので何がどうなってるのか良く知りませんし興味も無いです。自分のしたいことを唯進んで行くだけですね。「好き」を極めて行くこと以外に道は無いですから。僕は日本人の業者さんよりイギリス人のプロの人のほうが肌が合うし会ってて楽しいです。それだけかな。明日で六十歳になりますが段々と色んなことに興味を失っているのです。今日、注文した「定本 横光利一全集」(河出書房新社)が古本屋から届きました。とても嬉しい気分です。最高!
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