長野県の碌山美術館で一月末迄延長開催の「彫刻家 篠田守男」展に行って来ました。篠田さんの取材も兼ねていたので学芸員の方にもお会いし、美術館を案内して頂きました。篠田さんとは長いお付き合いですが彼の作品をまとめて観るのは実は今回が初めて。彼の「吊る金属彫刻」の量感、存在感、質感を肌で感じるのは初めてでした。こうやって作品が集まると、篠田ワールド、彼の世界観が空間を支配します。彼の作品についてはチルチンびとのサイトで書く予定なので、ここでは述べないことにします。矢張り彼は奇才です。日本彫刻史に忽然と現れた奇人です。
篠田さんの御縁がなければぼくはこの美術館に足を踏み入れることはなかったかもしれない、しかし幸運なことに訪うことが出来たのだ。写真に見る通りまるでヨーロッパの田舎の瀟洒な小美術館にいるような、人の手の温かみが感じられる、ディテールの美しい美術館である。お金を掛けて贅を尽くしたと言うより、お金よりも人の手仕事とセンスの良さが作り上げた、そこに居ることが歓びを生む素敵な空間である。本当にそう思う。日本にもこんな空間があるんだな、と思った。篠田さんの彫刻群を堪能した後にこの素晴らしい空間を是非廻って下さい。明治期の志高い芸術家の息吹が未だ消えずにそこで受け継がれているようなそんな空間です。是非、行かれて下さい。決して行き易い場所ではないけど、その不便さを遥かに凌ぐ美点に溢れています。
日帰りの旅でしたがとても有意義な時間でした。有り難うございます。学芸員の方、連れてってくれたまどかさん、有り難うございます。
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